こんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】英語リーディング授業の進め方例 〜文法と読解のバランスを大切に〜」をお伝えします。
英語の授業は、中学校では「英語」、高校では「コミュニケーション英語」、「論理表現」やその他英語の学校設定科目があります。
そして、英語の教科書は基本的に、読解と文法がセットになった教科書のページを進めていくことになります。
つまり、授業者側の視点で英語の授業を簡単に言えば、「本文の内容を確認して文法を教える」という単純なものです。
しかし、その16文字が非常に難しいのです。
さらに、学習する単語量が増えており、扱う内容も同様に拡大しています。
その中で、カリキュラムの終了と生徒の更なる理解のために英語教員は日々奮闘しています。
さて、今日は「本文の内容を確認して文法を教える」の中にどのような方法があるのかを一緒に見ていけたらと思います。
先生方の引き出しが増えたらと思います。
教科・科目の時間数
教員は限られた時間の中で教科書を終わらせなければいけません。
中学校と高校それぞれの年間授業時数を見ていきましょう。
中学校
中学校の年間授業時数は、「140時間」です。
計算方法は、
35週(最低授業週数)×単位数4=140
となります。
高校
高校の年間授業時数は、「210時間」です。
しかし、これは学校によって違いますし、また学年や生徒によっても変わります。
学校設定科目がある・0時間目や7時間目がある・選択科目がある(文理選択やコース選択)などで、一人一人の授業時間数は変わってきます。
この210時間の計算方法は
35週(最低授業週数)×英語コミュニケーション単位数4と論理・表現単位数2=210
となります。
基本的な教科書の構成
基本的な教科書の見開き1ページの構成は以下のような形になります。
中学校と高校によって違うので別々に紹介します。
中学校
高校
それでは教科書の構成を元に進め方例を見ていきましょう!
進め方例
単位数や教科書の構成によって、進め方は千差万別です。
ここでは上記の基本的な教科書の構成、見開き1ページを授業3時間(50分授業)で終わらせることを想定して、1時間ずつ授業の進め方例を見ていきましょう。
中学校
まずは中学校を見ていきましょう。
文法学習を含めて3時間でpart1つを終わらせるようにしています。
1時間目(文法)
時間 | 内容 | 概要 |
5分 | 導入 | 挨拶やウォームアップ活動をする |
10分 | 文法導入・説明 | イメージがつきやすい例文の選択や見やすい視覚教材を使う |
10分 | 文法問題解答 | 5分は1人で活動して、残り5分は生徒同士で教え合う(問題数や課題のレベルによる) |
15分 | 文法を使ったアクティビティ | インプットしたらアウトプット。実際にどのように使われるかを確認する |
10分 | まとめ・次回の話 | 扱った文法項目のまとめと次回の学習内容を確認する |
先に本文を導入して、新しい文法事項が扱われている本文の箇所を「想像してみよう」と探求学習に繋げることもあります!
2時間目(本文)
時間 | 内容 | 概要 |
10分 | 導入・復習 | ウォームアップ活動(単語を使った)・文法の復習 |
15分 | 新出単語確認・発音 | 意味の確認と発音をする(隣同士で問題を出し合う) |
10分 | キーセンテンス | 学習文法項目が使われている一文や読みにくい文章を教員が指定して、日本語訳をする |
10分 | スラッシュリーディング | 英語をカタマリで捉える練習を行う |
5分 | まとめ・次回の話 | 本文の内容のまとめと次回の学習内容を確認する |
3時間目(本文)
時間 | 内容 | 概要 |
10分 | 導入・復習 | ウォームアップ活動(単語を使った)・2時間目のキーセンテンスの別の文章を確認する |
5分 | Q&A | 本文を読んで答える |
10分 | TF問題 | 本文を読んで答える |
3分 | ディクテーション | 音声を聞いて穴埋めをする |
17分 | チャンク活動・音読 | スラッシュリーディングした本文をスラッシュごとに日本語訳する。日本語訳確認後音読をし、その後ペアで問題を出し合う |
5分 | まとめ・次回の話 | 本文の内容のまとめと次回の学習内容を確認する |
チャンク活動は作業みたいな物なのでどの生徒もできるのでおすすめです。
高校
それでは高校を見ていきましょう。
高校は、読解と文法で科目が違うので、今回は読解のみ紹介します。2時間で1つのpartを終えるイメージで行っています。
1時間目
時間 | 内容 | 概要 |
5分 | 導入 | ウォームアップ活動 |
15分 | 新出単語確認・発音 | 意味の確認と発音をする(隣同士で問題を出し合う) |
15分 | キーセンテンス | 読みにくい文章(1文〜2文)を教員が指定して、日本語訳をする。その読みにくい文章の別の文章を用意しておき、理解しているかを確認するために再度日本語訳をする。 |
10分 | 英問英答 | 本文を読んで答える |
5分 | まとめ・次回の話 | 読みにくい文章のまとめと次回の学習内容を確認する |
2時間目
時間 | 内容 | 概要 |
10分 | 導入・復習 | ウォームアップ活動(単語を使った)・本文の内容確認(前回の英問英答から) |
10分 | TF問題 | 本文を読んで答える |
5分 | ディクテーション | 音声を聞いて穴埋めをする |
20分 | チャンク活動・音読 | スラッシュリーディングした本文をスラッシュごとに日本語訳する。日本語訳確認後音読をし、その後ペアで問題を出し合う |
5分 | まとめ・次回の話 | 本文の内容のまとめと次回の学習内容を確認する |
私は、生徒がたくさん活動する授業スタイルが好きです。教員が一生懸命授業することも大切ですが、生徒がいい意味で疲れる授業をしたいと思っています。
オススメ書籍
最後に
今日は「【中学校・高校】英語リーディング授業の進め方例 〜文法と読解のバランスを大切に〜」をお伝えしました。
学習する単語数が増え、授業内容が大幅に増えました。そして、入試の出題傾向も変化がありました。「生徒の英語力を伸ばしたい」と思うのは英語教員全員が思っていることです。
ご覧になった誰か1人に刺さればいいと思って記事を書きました。
本日は以上です。お読みいただきありがとうございました。もしよろしければ下のランキングをポチッと押していただけるとありがたいです。
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