【高校】進路決定後の高校3年生の過ごし方 〜早期進路決定者に対する教員の対応〜

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こんにちは、草食系高校教師です。

今日は「【高校】進路決定後の高校3年生の過ごし方 〜早期進路決定者に対する教員の対応〜」をお伝えします。

みなさん、高校3年生が卒業後の進路を推薦入試やAO入試で早々に決めた後、やる気がなくなり・態度が悪くなり・遅刻早退欠席が増えたりするあの嫌な期間に悩んでいないでしょうか。

非常に気持ちがわかります。

今日はその期間に焦点を当て、どのような取り組みをしているかをお伝えしていきたいと思います。

草食系教師
草食系教師

非常にやりにくい期間ですが、やりにくさを変えていかないと教員のメンタルが持たなくなりますよね。

2学期クライシス

 私はこの期間を「2学期クライシス」と勝手に読んでいます。

 その理由は2つあります。

①推薦入試やAO入試で使われる学業成績や出欠席は高3の1学期までのものであること(2学期の成績は関係なし)

②2学期中に進路が決まる生徒が多いこと

 一般受験以外は、ほとんどの生徒が2学期中に進路を確定します。

 その後、「勉強をしなくていい」や「先生方の顔色を伺わなくてもいい」という稚拙な考え方から、学校生活をおろそかにする傾向にあります。

 それが顕著に表れ始めるのは「推薦許可が降りてから」か「合格後」です。

 大学・短大・専門学校・就職等、様々な進路がありますが、大学進学希望者は、9月に校内で行われる大学指定校推薦会議後、又は10月下旬〜11月下旬までの合格発表後から徐々に素行不良の生徒が目立ち始めます。

解決策

 それでは解決策をお伝えしていきます。

 私はこれまでに3校の私立学校に勤め、それらは進学校・中堅校・教育困難校と全くタイプが違う学校でした。

 その中で1番大変だった教育困難校で行っていたことをお伝えします。その学校は生徒の9割がAO入試や推薦入試でを利用しての受験でした。したがって、11月下旬にはほとんどの生徒が進路決定していました。

 しかし、やる気が無くなったり態度が悪くなったりすることはほとんどありませんでした。教育困難校だったので基準が低かったのもあります。

 今日はその学校で行っていたことを2つお伝えします。

①根回しの徹底

 1つ目は「根回しの徹底」です。

 最初に言っておきますがこれが最も大事です

 高校3年生は、ほぼ全ての学校で二者面談と三者面談があります。この2つが生死の別れと言っても過言ではありません。

 私は以下のようなことを三者面談で伝えるようにしています。

「2学期以降、進路活動が本格的に始まり、受験をして合格する日が来ると思います。それは私にとっても非常に嬉しいことですし、そのために私も一生懸命合格に向けて取り組ませてもらいます。担任としてはこのクラスで残りの1年を有意義に過ごし、何事もなく卒業して欲しいと強く思います。そこで2点、合格後のことに関してお願いがあります。

 1点目は合格後、周りを助けるということです。それは直接的でも間接的でもです。クラスメイトの中にはまだ受験をしていない生徒や合格を待っている生徒、落ちてしまった生徒が必ず出てきます。自分は受かったから何してもいいやと、授業中寝たり騒いだりしても良いということにはなりません。さらに、大学の一般受験は1月以降に行われますし、国立2次は3月ですので、授業やクラスの雰囲気を壊すようなことはしないでください。

 2点目は合格したからといって授業態度や成績が悪くなったり、遅刻・早退・欠席が増えたり、服装頭髪が乱れたりをしないことです。その場合、学校側は徹底的に指導しますし最悪の場合、合格を取り消したり、卒業認定することができないことも考えられます。そこは承知していただけばと思います。私としては、せっかく◯◯さんは勉強・部活・学校行事などでこれまで頑張ってきたのでそのようなことは全くしたくありません。ですので、自分の立ち位置は自分で考えて行動するようにして欲しいと思います。ご理解いただけたでしょうか。

 2点目には、あえて「合格を取り消す」や「卒業認定できない」と言った強い表現を並べていますが、真面目に取り組んでいる生徒を守るためです。躊躇せず言ってもいい言葉だと思います。

 これまで高校3年生の学級担任を3回経験し、100名以上の生徒を卒業生をもちましたがクレームは一度もありませんでした。

 保護者がいる前で生徒も言われているので守ろうとする生徒は増えます。しかし、一度だけでは理解できない生徒もいるので、上記のことを教員間で共有し、個人面談・三者面談・ホームルーム・授業・学年集会で様々な教員が様々な角度でしつこく伝えていくことを強く強くお勧めします。

 せっかく高校3年生の学級担任をしているので、気持ちよく卒業生を出したいと思いますよね!

2学期から「合格が決まってからもしっかりやりなさい」と言っても遅いです。さらに、担任指導だけでは無理な場合がありますので学年と教科担当、学校が協力しなきゃいけないと思います。

②授業スタイルを変える

 2つ目は「授業スタイルを変える」です。

 問題を解いて、解答して、説明するスタイルは通用しなくなるかもしれません。根回しをしたにせよ、授業は生徒にとって義務感がないのでやる気は低下するものです。

 そこで私はノルマ化(進捗状況の見える化)をするようにしました。

 生徒に伝えることは以下の5つだけです。

①今日のページ数
②セクションごとに前に持って来て教員のチェックを受けること
③授業の終わりには提出
④周りと相談してもよい(クラス状況による)
⑤セクションごとに黒板に書かれてある自分の名前に射線を入れる
 *以下の図のように黒板に名前を書く

オススメ本

最後に

 今日は「【高校】進路決定後の高3の過ごし方 〜早期進路決定者の対応〜」をお伝えしました。

 高校卒業後の進路が推薦やAO入試で早々に決まった生徒のやる気のなさや態度の悪さが目立つようになる2学期以降の授業は正直やりにくいです。

 それで病んでしまう教員も少なくはありません。根本的な解決は早い段階からの根回しに限りますし、保護者の協力も必要となります。そして時には「卒業させない」と強い態度も必要になるのではないかと思います。

 本日は以上です。お読みいただきありがとうございました。もしよろしければランキングをポチッと押していただけるとありがたいです。

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