みなさんこんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】(英語)授業中の単語・熟語活動について 〜個人→ペア→全体でのアクティビティ〜」をお伝えします。
みなさん、授業中の単熟語活動をどのように進めているでしょうか。
私は超進学校・中堅校・教育困難校にいた経験から、これまで様々な方法にトライしてきました。
「どこまで手をかけるか」「時間は長くないか」「詳しく伝えすぎか」など、生徒の反応を見ながら現代の生徒に合う方法を模索してきました。
「授業に正解なんてない」ので、「他の方法もあるよ」くらいに見てもらえたらと思います。
授業は千差万別。目の前の生徒に合うスタイルでいいと思います!!
単語・熟語活動の本質
まず「単語・熟語活動の本質」を見ていきましょう。
調子に乗って「本質」と言う言葉を使いましたが、扱う理由だと思ってもらえたらと思います。
私は以下4つだと思います。
- 意味の確認・理解
- 音声(発音)の確認・理解
- 定着の促進
- 応用力の養成
この4つ単語熟語を扱う理由だと思います。
特に「定着の促進」と「応用力の養成」に力を入れてきました。
この2つを軸にどのように単熟語活動を行っているか以下で紹介します。
単熟語活動の具体例
それでは単熟語活動の具体例を上記の4つを軸に見ていきましょう。
①意味の確認・理解
まず初めに「意味の確認と理解」です。
私は単熟語を宿題として「意味を調べてきてください」はしません。ハイレベルな学校では可能だと思いますが、中堅以下の学校になると宿題をしてこない生徒が爆増するからです。それか、誰かがしてきた宿題を写すだけということが散見されたため即刻やめました。
してこなかったら私がイラッとしてしまうので自分のためにも廃止しました。笑
ではどのようにするかというと、
以下のようなプリントを渡します。
そして、私は品詞と意味を言い、生徒に書かせます。品詞は考えさせても良いと思います。
「書く」行為は勉強した気にさせる一つのトリックだと思うので対象生徒によっては効果抜群だと思います。
そして、その時に簡単な接頭辞や接尾辞を簡潔に言うようにしています。
②音声の確認・理解
2つ目は「音声の確認・理解」です。
表題の通り、音声の確認と理解をしていきます。要は、しっかりと発音できるようにします。
その時には、「自分で読めないものは聞き取ることができないぞー」としつこく言います。これを言うと声の大きさが変わる気がします。笑
学年初めの単熟語の活動の時は、以下のようなことを伝えています。
「bought」を「ボウグフト」と読んでしまったら、リスニングの時に「bought=ボウト」を聞き取れませんよね。なので、読むことはリスニングの練習にもなるのねーん。
「読むことは大事!」ということを植え付けられればという意図があります。
読み方はシンプルです。
「教師(CD)が単語を読む→生徒が読む→教師(CD)が単語を読む→生徒が読む」の繰り返しです。その時に「もし心配な人がいたらカタカナ振っておきなよー」と生徒に言っておきます。
イレギュラーですが、しっかり読めているか確認するために、上の繰り返しをした後で「Repeat after your classmate」と言って、生徒を指名(単語の数)して、「生徒一人が単語を読む→他の生徒全員が読む」を繰り返します。
生徒が教員役をやると盛り上がったりやる気になったりする生徒がいるのでなかなか楽しいです。
③定着の促進
3つ目は「定着の促進」です。
「定着」という言葉を拡大解釈してはいけないのでまずは確認していきましょう。
goo国語辞典より
- ある場所や位置に、ぴったりとつくこと。一定の所に落ち着くこと。
- しっかりと根づくこと。人々の間に浸透し、なじむこと。
「しっかりと根付くこと」は授業中だけでは不可能なので、根付くような取り組みを紹介します。
上記の「②音声の確認・理解」まで終わった後は個人活動→ペア活動を行っています。以下方法になります。
- ①音声の確認・理解
- ②暗記時間(2分くらい)
- ③ペアで問題出し合い(1分30くらいずつ)
- ④一列確認
*一列選んで一人ずつ教員が問題を出す
「③ペアで問題出し合い」では、上記の「音声の確認と理解」が生きてきます。読めないと問題を出せないですし、出せないとペアが活動できなくなるので迷惑がかかります。また、単語を覚えていないと答えることができないので、ちょっと恥ずかしい思いをするかもしれません。
そして、「④一列確認」は生徒がしっかり活動したかの確認です。この活動をする本当の意味は、「単語活動の最後に全体確認がある」を認識させることです。
授業は「安心感」と「緊張感」が必要だと思っているタイプなので、全体の前で当てられる「緊張感」があれば、最初から単語活動をしっかりするようになります。
はい、これをご覧の先生!!「草食さん、いやらしい!!!!」と思ったでしょ!
そりゃ、超進学校ならしっかり話を聞くかもしれませんが、教育困難校と中堅校を経験したこともあり、「半ば強制的に活動させる」大切さを知ったからです。「知的好奇心をくすぐり自ら勉強する態度を養う」と綺麗事ばかりではやっていけませんよね??????
ま、そういうことなんですよ。
そして、What I am about to say is so important.なんですけど、結局一回活動しただけでは定着しないので、授業冒頭で単語を使ったウォームアップアクティビティをします。
1つは上記と同じ「問題出し合い」です。そしてもう1つは「クリスクロスゲーム(ラインゲーム)」です。
生徒全員が起立して、教員が問題を出す→生徒が答える→答えた生徒が方向(前後左右斜め)を指定する→指定された場所にいる生徒も座れる 活動です。
詳しくは以下をご覧ください
そして、パートごとに単語は増えていくので、それも追加して問題出し合い活動をしたり、クリスクロスゲームをしたりします。
えビングハウスの忘却曲線にもあるように人間はすぐに忘れてしまうので思い出すきっかけになる活動を帯活動として行っていく感じです。
④応用力の養成
最後は「応用力の養成」です。
私は単語の小テストを「応用力の養成」としています。定着活動の1つとしても取り上げられますが、私は問題の出し方を工夫することで「定着活動×応用力の養成」を同時にできると思っています。
その問題の出し方は一問一答形式ではなく、長文の中に空欄を作った問題形式です。単語帳の「速読英単語」の出題形式と全く同じです。
これを生徒のレベルに合わせて変えていけばOKです。ではその生徒レベルに合った出題方法3パターンを見ていきましょう。
〜パターン1(ハイレベル)〜
” Not only Japan but the whole world is now ①(策を講じる) to pursue a sustainable society. Surprisingly, people in the Edo period (1603-1867) actually ②(達成する) such a society. At that time, almost every resource was recycled, which ③(減少する) damage to the environment to a minimum.
答えは①taking measures ②achieved ③reducedになりますが、この問題形式だと「単語を覚える能力」と「前後関係から時制を考える能力」「時制にあった形にする能力」が必要になります。
一問一答形式だとできなかったことがこの形式だと可能になります。結局、文法の穴埋め問題・長文読解問題など、多種多様な問題を解答する時は、必ず前後があるので前後関係から解答を導く癖をつけることも必要ではないかと思います。
〜パターン2(ミドルレベル)〜
” Not only Japan but the whole world is now ①(t )(m ) to pursue a sustainable society. Surprisingly, people in the Edo period (1603-1867) actually ②(a ) such a society. At that time, almost every resource was recycled, which ③(r ) damage to the environment to a minimum.
問題文にある( )の頭文字を使う
①策を講じる(進行形)
②達成する(過去形)
③減少する(過去形)
ミドルレベルでは、本文中に頭文字を載せ、問題文では日本語と時制を載せるようにしました。
〜パターン3(ローレベル)〜
” Not only Japan but the whole world is now ①( )( ) to pursue a sustainable society. Surprisingly, people in the Edo period (1603-1867) actually ②( ) such a society. At that time, almost every resource was recycled, which ③( ) damage to the environment to a minimum.
以下から( )に当てはまるものを選ぶ
(1) achieved
(2) reduced
(3) taking measures
ローレベルでは選択問題にしました。
レベルを格段に下げていますが、これでも間違う生徒はたくさんいる(そもそも勉強していない)のでちょうど良いかと思います。
生徒のレベルに合った出題形式が必要ですね!
オススメ書籍
オススメ書籍を見ていきましょう。
最後に
今日は「【中学校・高校】(英語)授業中の単語・熟語活動について 〜個人→ペア→全体でのアクティビティ〜」をお伝えしました。
私は四十人ほどの一斉授業だからこそできる活動を授業では取り入れるようにしています。さらに、英語は教科というよりも言語でありコミュニケーションのツールなのでペアやグループワークは必要だと思います。
「生徒が教員の話を聞いて終わり」という一方通行オワコン授業ではなく、対話的で双方向型の授業スタイルにシフトチェンジすることが今後求められると思います。
本日は以上です。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。良い授業をお互いに作っていきましょう!
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