【中学校・高校】ICT教育先進校(私立学校)の取り組み 〜教員の意識と生徒のやる気の変化〜

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こんにちは、草食系高校教師です。

今日は「【中学校・高校】ICT教育先進校(私立学校)〜教員の意識と生徒のやる気の変化〜」をお伝えします。

私の勤務校はICT先進校です。約5年前からICT機器が導入され、今や近隣の学校から多数の見学が来るほど設備が整っています。今日は、導入から約5年が経ち、学校の5年間の変遷やリアルな現状をお伝えします。

草食系教師
草食系教師

導入後に新たな問題が出てきました。

使用している機器

 各教室で使用している機器と教員と生徒が所有しているものをお伝えします。

各教室

 ホームルーム教室と特別教室に設置されているICT機器です。

・Wi-Fi

・天吊りプロジェクター

・スクリーン

・Apple TV

・90インチモニター(電子黒板としても使用可・数教室のみ設置)

・パソコン

・HDMIケーブル、VGAケーブル

・DVDデッキ

教員

 教員全員が所有しているものです。iPadは学校からの貸与で、タッチペンは個人研究費で購入をしています。

・iPad

・iPad内アプリ

・iPad内使用制限ファイル

・タッチペン

・電子教科書

生徒

 生徒全員が所有しているものです。以下のものは入学時や新学年になってから各自が購入するものになっています。

・iPad

・iPad内アプリ

・iPad内使用制限ファイル

・電子教科書(全教科ではない)

iPad内使用制限ファイルとは?

閲覧可能ページを限定したり、アプリのダウンロードを制限したりできるファイルのことです。

使用アプリ

 基本的に教員と生徒は同じアプリがインストールされています。生徒が勝手にアプリをダウンロードしないように「iPad内使用制限ファイル」が入っています。

・ロイロノート

・ZOOM

・カフート

・辞書アプリ

・学年指定の英語アプリ

ICT改革4年の変遷と教員のICT機器使用率

ICT改革4年の変遷

1年目

 全ホームルーム教室にスクリーンとプロジェクターが導入され、パソコンを使って投影することができるようになりました。全教室ではありませんが、それまでもこれらの設備はあった。

2年目

 ホームルーム教室にWi-Fiが設置され、全教員にiPadが貸与されました。さらに、AppleTVがホームルーム教室以外に導入され、AppleTVを介して、iPadの画面を投影すること(ミラーリング)ができるようになりました。また、全教室にスクリーンとプロジェクターが設置されました。

3年目

 全生徒(高3以外)がiPadを購入することになり、生徒と教員のiPadには「使用制限ファイル」と「使用アプリ」がインストールされました。また、全教室にWi-Fiが設置され、校内の至る所で接続できるようになりました。

4年目

 90インチモニターが数教室に設置されました。プロジェクターとスクリーンとモニターどちらが良いかを実験するためだそうです。
 今年度(2020年度)はコロナの休校期間に、すぐにオンライン授業に移行することができました。

教員のICT機器使用率

1年目〜2年目

 1年目〜2年目は教員研修が積極的に行われ、「時代だねえ」と言いながら9割の先生がiPadやパソコンを使い授業をしていました。

 校内の研究授業が「ICT機器を使用すること」という縛りがあったことからかほとんどの方が使っていたのでしょう。

3年目〜4年目

 教員研修がなくなったことや研究授業のICT使用の縛りがなくなったためかはわかりませんが、全体の使用率が急激に下がりました。若手の先生は使っていますが、年配の先生のICT機器使用率がほぼゼロになりました。

 

宝の持ち腐れ状態になっています。。。

生徒の使用方法の変化

1年目〜2年目

 教員の力が入っていたこともあり、積極的に様々なアプリを使って活動していました。提出物やパフォーマンステストは「ロイロノート」、クイズは「Kahoot」など、場面に応じて使いこなしていました。

3年目〜4年目

 教員の使用率が下がったことが関係していると思いますが、インターネットで調べ物をしたり、カメラを使ったりするだけの生徒が相当数います。もちろん中には、使いこなしている生徒もいますが、少ないです。

 

新たな問題

Wi-Fi環境

 Wi-Fi環境と生徒数があっていないため、1クラス約30人が一斉にインターネットを使うと止まったり、遅くなったりしてしまいます。校内のWi-Fiに関係するため、職員室のパソコンにも影響を及ぼしています。

教員のモチベーション

 板書を使った従来の授業とICT機器を使った授業の準備の大変さを比較すると、圧倒的に前者の方が準備が楽です。導入前まで何十年もICTを使わないスタイルで授業していた年配の先生にとってはかなりの負担になります。

 したがって、最初は使っていたとしてもだんだん使わなくなってしまいます。教員が使わなくなると生徒も使わなくなりますので、教員のモチベーション維持が鍵になると思います。

最後に

 今日は「【中学校・高校】ICT教育先進校(私立学校)〜教員の意識と生徒のやる気の変化〜」をお伝えしました。

 GIGAスクール構想でこれからICT機器の導入が各学校でさらに進められると思いますが、”変化を嫌う教員”がそれらの機器を継続して使用することが普及の新たな課題なのかもしれません。導入後のことも考えなければいけませんね。


 過去にもICTに関して記事をアップしていますのでそちらもぜひご覧ください。

 本日は以上です。ありがとうございました。

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