みなさんこんにちは。草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】一人一台タブレット(パソコン)導入で起きた生徒指導問題5つの事例と対応方法」をお伝えします。
ここ数年で一人一台タブレットが導入され、教員にとっては授業方法が変わり、生徒にとっては学習の取り組み方が変わったのではないでしょうか。
教員は視覚教材をこれまで以上に、容易に見せることができたり、生徒の活動としてはオンラインで共同編集ができたりと日本にアイフォンが入ってきた時くらい革命的なことが起きている真っ最中です。
しかし、メリットがあれば当然デメリットもあります。
これまでになかった新たな生徒指導問題がドラえもんの秘密道具「バイバイン」でどら焼きを増やした時くらい続々と問題が出てきます。
それでは、「わいせつ教員対策新法」とは何なのかを見ていきましょう!
初めに
私が以前勤めていた中高一貫校は、ICT先進校でした。
2016年には教員と生徒に一人一台iPadを導入し、教室に電子黒板機能付きの大型モニターや点吊りのプロジェクター、黒板貼り付け型のスクリーン等を設置しました。
全生徒のiPadには、機能制限やWebページのフィルタリング等が入ったモバイルデバイス管理ソフトウェアを入れ、生徒指導問題が起きないようにしていました。
しかし、プリズンブレイクは起こるもので、様々な生徒指導問題が起きました。また、処分の基準が曖昧だったことも関係あったかもしれません。
それでは5つの事例を見ていきましょう!
生徒指導問題5つの事例
それでは、5つの事例を見ていきましょう。
以下の5つを紹介します。
①Airdropでおしゃべり
②授業中に動画視聴
③オンラインゲーム
④授業の盗撮盗聴
⑤コラ画像作成
①Airdropでおしゃべり
1つ目は、「Airdropでおしゃべり」です。
iPadには「Airdrop機能」、昔でいうところの赤外線通信みたいなものがあり、データ等の交換をすることができます。その機能を使って、Apple製品初期搭載アプリである”メモ”を送り合っていました。
そのメモにはその日の放課後に遊ぶ予定の話が載ってあり、現行犯で逮捕されました。Airdropは受信する時に音が鳴るため(設定による)、その音が鳴ったことがきっかけで発覚しました。
それ以降は、全生徒airdropの受信先を「オフ」にすることが義務付けられました。それを機に、教員は授業に行ったらairdropの受信先を確認するという仕事が増えました。
②動画試聴
2つ目は「動画視聴」です。
授業中に動画視聴は、トップオブザあるあるだと思います。しかし、前述の通りフィルタリング機能でyoutubeが見れない設定にも関わらずyoutubeにアクセスし、視聴していたことがありました。
聞いた時は「ふぁ!?」という感じでしたね!
その生徒によくよく事情を聞くと、いわゆる「抜け道」があるそうで、その方法がインスタグラムやTikTokで紹介されているようです。
そうなるとiPad側の問題なので学校側はお手上げです。学校としては、「1回目に発覚した場合は保護者来校、2回目は停学処分」という厳しいルールを設定しました。
③オンラインゲーム
3つ目は「オンラインゲーム」です。
授業中にゲームも②の動画視聴と同様にあるあるだと思います。オンラインゲームは基本的にフィルタリングに引っかかりますが、そうではないゲームがあるそうです。
この問題は生徒のタレコミで発覚しましたが、学校側の対策として、Jamf(デバイス管理システム)を使ってWebページを個別にフィルタリンがかかるようにしました。
校内のICT委員会は常に忙しかったですね・・・
④授業の盗撮盗聴
4つ目は「授業の盗撮盗聴」です。
生徒は、教員が授業をしている動画や授業中のクラスの様子の動画を撮影し、Airdropで自分の携帯に送り、それらをSNSにアップするということがありました。
閲覧できる生徒からのタレコミで発覚しましたが、面白おかしく編集されていたこともあり、結構大事に発展しました。
私立学校であったため、学校の評判=生徒募集につながります。それを著しく損なう業務妨害にあたるという学校判断をし、停学処分一歩手前の校長訓戒(保護者同伴)になりました。また、SNSに無断掲載されたこともあり肖像権の侵害・プライバシー権の侵害・名誉権の侵害等にも引っかかるのではないでしょうか。
一人一台タブレット絡みの処分の基準が決まっていなかったため、本来であれば停学か退学レベルの内容ですが、校長訓戒にとどまりました。
⑤コラ画像作成
5つ目は「コラ画像作成」です。
これは上記の①(Airdrop)と④(盗撮)が使われ、学校で盗撮する→airdropで自分の携帯に送る→その画像をアプリで編集する→それらをSNSにアップするという問題が起きました。
教員や他の生徒を侮辱するような画像であったため、これも④同様に校長訓戒(保護者同伴)となりました。
処分(指導)基準の設定
次に、処分基準の設定を見ていきましょう。
全国で一人一台タブレットが導入され、早くも2〜3年が経ちました。しかし、まだまだ処分(指導)の明確な基準は決まってる学校は少ないでしょう。
問題が起きる度に基準を決めるのではなく、起こるであろう問題を予測して対応マニュアル(指導基準)の作成は必須です。
お客さんのニーズを把握せずに商品は作らないですよね?
事前にマニュアルを作成し、校則として位置づけることが抑止力の一つになるのではないでしょうか。ガチガチのルールで固め、良い子ちゃんを作る学校の風潮は大嫌いですが、”生徒を守る”という観点では必要ではないでしょうか。
指導内容
それでは上記5つの例を元に、「指導内容」を見ていきましょう。
このような問題が起きた時に対応するのは基本的に学級担任です。今回は学級担任の視点で指導内容をお伝えします。
私は生徒指導問題を「校内で解決できる問題か」と「校外まで影響を及ぼす問題か」に分けられると思います。
上記の5つの問題を上の二つに分けると以下のようになります。
校内で解決できる問題→①②③
校外まで影響を及ぼす問題→④⑤
この記事では「校外まで影響を及ぼす問題」の場合の指導内容をお伝えします!
校外まで影響を及ぼす問題となると、大事です。しかし、ピンチはチャンスなので、落ち着いて対応しましょう。
④⑤の問題で生徒に理解させるのは2つ「罪を犯したこと」と「その罪がどこまで影響するかに気づかせること」です。
無断でSNSにアップしたことで、肖像権の侵害・プライバシー権の侵害・名誉権の侵害等に当たると思います。その一つの話の例として、以前社会問題になっていた「バカッター」を取り上げるのはどうでしょうか。
バカッターは、「Twitter」と「バカ」のかばん語です。
それでは、これまでにあったバカッター例を以下3つ見ていきましょう。
①ローソンで従業員がアイスクリーム冷蔵庫に入るのをTwitterに投稿
②はま寿司で従業員がハサミを天ぷらにしたのをTwitterに投稿
③従業員が食器洗いの流し台で裸で入浴している写真をTwitterに投稿
損害賠償を請求されたり、学校を退学になったりと、一時の「目立ちたい」が人生を狂わせることにつながります。SNSの投稿に関する損害賠償額は、上記のバカッター例ではありませんが「1385万」や「2000万」という情報も散見されました。
また、今回は肖像権の侵害・プライバシー権の侵害・名誉権の侵害等と学校への営業妨害も考えられます。私は私立学校に勤めているので、学校存続のための生徒募集も考えなければいけません。
投稿した内容が、受験する児童生徒・保護者にどう映るのか、その投稿を見て行きたいと思う学校なのか、もし視聴者にネガティブな思いを抱かせるのであれば、それは学校の信用を失墜させる行為であったということです。
この2点が生徒指導の軸になることは間違いありませんね!
オススメ書籍
最後に
今日は「【中学校・高校】一人一台タブレット(パソコン)導入で起きた生徒指導問題5つの事例と対応方法」をお伝えしました。
生徒は予想の上を行く問題を起こします。それはその都度対応で構わないと思いますが、予想できる問題であれば事前に対応策を考えておくのが当たり前のことではないでしょうか。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。もしよろしければ下のランキングをポチッと押していただけると幸いです。
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