こんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】私立学校の入試広報とは 〜経営難の高校での取り組み〜」をお伝えします。
ここ数十年で子供の数は減り、少子化となった現在、私立学校は存続のために生徒をたくさん確保しなければいけません。
そのためには入試広報部の力がカギになってくるでしょう。
私は過去の記事にある「V字回復した高校」で入試広報部に所属していたことがあります。生徒を入学させなければ今にも潰れる学校でしたのでかなり大変だった記憶があります。
営業マンみたいな仕事内容ですよ!
入試広報部とは?
「入試広報」という言葉を聞いたことのない先生方も多いのではないでしょうか。私立学校独特の言葉で、その名の通り、入試を広報すること、つまり生徒募集を主に行う部署です。
入試広報部には軸となる3つの業務があります。それではそれぞれの業務内容を詳しく見ていきましょう。
①生徒募集業務
生徒募集をするために、2学期(10月)以降、中学校を訪問します。
1.中学校3年生の進路担当者に会うため(仲良くなるため)
2.中学生に説明するため
1.中学校3年生の進路担当者に会うため(仲良くなるため)
「1.中学校3年生の進路担当者に会うため(仲良くなるため)」は、訪問する中学校の進路動向を聞き、大体どのくらい入学する見込みがあるかを知るためです。
その時に、確実に入学する専願・他の学校も受験を考えている併願などを必ず確認します。それをすることによりさらに入学希望者を絞ることができるためです。
また、担当者に会って学校を知ってもらうことも会う目的の1つです。
「こんな教育してますよー」や「新しく電子黒板導入しましたよー」などと学校の宣伝をします。
そして、中学校の進路担当者と会う時に最も大切なこと、つまり信頼関係を築くために必要なことは、その中学校の卒業生の動向を完璧に把握することです。
卒業生について「あの生徒頑張ってますか」「高校卒業した後どこに行ったのですか」などと聞かれます。
その質問に対して、完璧に答えなければいけません。そこで「わかりません」と言うと、面倒見のよくない学校なんだなと思われてしまうのです。
実際にこれをご覧の先生方の中には、高校や大学の入試広報担当と話をする機会がある先生もいると思いますが下の会話例のどちらが良いでしょうか。
会話例1
去年卒業した◯◯元気にしてますか?
元気に学校生活送っていますし、頑張っています。部活は◯◯部に入部し、1年生からレギュラーです。勉強の方も評定平均値が◯.◯もあり、学年10番以内に入っています。体育大会ではクラスを引っ張っている姿が印象的でした。優秀な生徒を送っていただきありがとうございます。
会話例2
去年高校を卒業した◯◯はどこか大学行ったのですか?
◯◯ですかー。えー、あー。私去年高2担当していましたのでわからないんですよー。。申し訳ありません。。
圧倒的に「会話例1」の方が良いですよね。
一般企業での営業経験はありませんが、自社製品の内容を把握していない人はいないと思います。それと全く同じことですよね。
2.中学生に説明するため
「2.中学生に説明するため」は、各中学校で単独の学校説明会や他の高校との合同説明会がありますので、それらに参加します。
私は何度か説明する立場になりましたが、持ち時間でいかに学校のPRをするかがポイントになります。そして、いかに生徒の記憶に残るように話すかが大切だと思いました。
真面目に話しすぎても食いつきが良くないので、私の拙いユーモアを混ぜて説明していました。ネタ作りに必死で当時は漫才を見て研究してました。笑
②入試業務
基本的に入試(推薦入試・一般入試)の企画・運営業務です。
当日の運営もですが、その日までに行うことがとても多いです。以下に一覧がありますのでそちらをご覧ください。
③学校宣伝・広報業務
学校の魅力を地域住民、保護者や中学生に知ってもらうことです。
つまり学校を売り込むということです。
スケジュール
上記の「生徒募集業務」「入試業務」「学校宣伝・広報業務」に分けて大まかなスケジュールをお伝えします。
学校行事がカギ
生徒募集をする上でカギとなってくるのが学校行事、特に「学校祭(文化祭)」です。
近隣住民、中学生、保護者、他校の生徒が一斉に集まる年に1度の大イベントは、生徒募集に多大な影響を与えます。
来校者、特に中学生に「楽しい!」と思ってもらうような仕掛けをいくつか用意します。
その学校では、各クラスのステージ発表があったので、学級担任はそれに尽力し、他の職員は学校内の装飾に力を入れます。
また、学校祭を盛り上げるために教員がパフォーマンスを披露することがあります。在校生を喜ばせることも目的ですが、来校者に「ここの学校の先生面白い!」と思ってもらえるように頑張ります。
1番の広報は口コミ
1番効果的な広報活動は、言わずもがな「口コミ」です。
あの有名な「食べログ」が物語っていますが、いくら公共交通機関や情報誌に学校情報を掲載しても、人から人への情報には勝てません。
つまり、在校生を大切にしようということです。
在校生の学校に対する満足度が高ければ、自ずと生徒募集は成功すると思います。実際にV字回復した学校はそこに着目して生徒募集に成功し、定員の半分ほどまで落ち込んだ生徒数が、3年で定員オーバーするところまで行きました。
本気と書いてマジなやつですよ。
オススメ書籍
最後に
今日は「【中学校・高校】私立学校の入試広報とは 〜経営難の高校での取り組み〜」をお伝えしました。
私立学校特有の入試広報部でしたが、業務量は非常に多いです。特に11月以降は管理職と入試広報部はほとんど休みがありません。大変ですよね。
本日は以上です。お読みいただきありがとうございました。もしよろしければランキングをポチッと押していただけるとありがたいです。
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