こんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】妊娠した生徒の対応方法 〜学校はどうする?〜」をお伝えします。
新型コロナウイルスの影響による2020年3月から6月までの休校中に、あるニュースが話題になりました。
それは、「中高生の妊娠相談件数の増加」です。
「妊娠したかもしれない」や「妊娠した」と中高生が相談窓口に連絡した件数が、例年よりも非常に多かったというニュースです。
実際に、この記事をご覧の先生方が勤めている学校でも妊娠した生徒がいたかもしれません。
とてもデリケートな話題だからね。
対応がとても難しいです。
私はこれまでに担任として1度、該当学年で1度、妊娠した生徒の対応をしたことがありますので、どのように対応したのかをお伝えします。
学校現場のリアルとしては、基本的に「産んではいけない」みたいな風潮があります。
しかし、私見ですが「生徒本人・相手・生徒の保護者・相手の保護者」の同意があれば、「産む」方向でもいいのではないかと思っています。
学校側は緊急事態の生徒指導案件だと思いますがどのような対応を取るか見ていきましょう。
妊娠発覚からの対応の流れ(学級担任目線)
妊娠発覚からの学校の基本的な動きをお伝えします。
生徒本人から学級担任に相談があった体でお話をします。細かい面談内容は以下の「面談内容」をご覧ください。
- STEP1妊娠発覚
- STEP2生徒個人面談
基本的に、学年主任・担任・養護教諭が面談をします。
- STEP3生徒指導部長・教頭報告
個人面談の内容を生徒指導部長と教頭に伝え、今後の流れの確認をします。
- STEP4保護者・生徒面談
保護者と生徒の面談をします。学年主任・担任・養護教諭が同席して、今後の流れの確認をします。
- STEP5生徒指導部長・教頭報告
保護者・生徒面談の内容を生徒指導部長と教頭に伝え、今後の流れの確認をします
- STEP6報告書作成
生徒指導案件ですので学級担任が報告書を作成します。
面談内容
基本的な面談内容の軸は2つです。
「産む・産まない(望んだ妊娠・望まない妊娠)」と「卒業意思があるか・卒業意思がないか」です。
それでは上記の2つの話の軸を踏まえて、2つの面談の機会を想定して内容を詳しくお伝えします。
①生徒個人面談
②保護者・生徒面談
生徒個人面談
生徒個人面談では、細かい事情の確認が必要です。プライバシーにも関わりますので会話の内容や言葉の選択は慎重にいきましょう。
確認事項は2つあると思いますが、その中に数パターンありますのである程度絞ってお伝えします。
相手が明らかかどうか
1つ目は「相手が明らかかどうかの確認」です。
不特定多数と行為をしている場合や襲われた場合があるためです。
明らかな場合は「連絡が取れるかの確認」です。連絡が取れているのであれば良いのですが、相手が妊娠の事実から逃げていて連絡が取れない場合があります。
明らかではない場合は、そしてその中でも不特定多数の場合、当てはまりそうな人に連絡をするように勧めます。プライバシーなのでアドバイスをする以外は特に何もしません。
また、襲われた場合は、すぐに警察に行くように伝えます。
出産するかどうか
2つ目は、「産む・産まない(望んだ妊娠・望まない妊娠)」の確認です。
今日は「産む」・「産まない」に分けてお伝えします。
様々なパターンがありますが、今回は相手が明らかである体で話をします。
産む
「産む」場合は「生徒の保護者、相手と相手の保護者の同意があるか」の確認と「卒業意思があるか」の確認です。
「生徒の保護者、相手と相手の保護者の同意があるか」の同意がある場合は、特に何も言いません。
「生徒の保護者、相手と相手の保護者の同意があるか」の同意がない場合は、保護者と話をするように促します。
この場合は、「産みたい」ですので、説得ではなくシビアに経済的な話やこの先の話をします。
「卒業意思があるか」のある場合は、その学校での卒業意思なのか高校卒業資格が欲しいだけなのかの確認から入り、学年と時期によります*が休学の措置を取るか、通信制などに転学をするか、退学をして高卒認定試験を受けるかの3択となるでしょう。
「卒業意思があるか」のない場合は、今後考えられることを伝えます。子供が大きくなって改めて働く場合に高卒以上の求人が多いことなどです。
産まない
「産まない」場合は、「生徒の保護者、相手と相手の保護者の同意があるか」の確認です。
「生徒の保護者、相手と相手の保護者の同意があるか」の同意がある場合は、命の大切さに関しての話が必要となると思います。
「生徒の保護者、相手と相手の保護者の同意があるか」の同意がない場合は、保護者との相談を勧めます。
保護者・生徒面談
保護者が同席した面談も確認事項や話の内容は上記と同じ、「産む・産まない(望んだ妊娠・望まない妊娠)」と「卒業意思があるか・卒業意思がないか」を軸に話を進めていきます。
生徒と確認した内容と保護者の意見をすり合わせていきますが、意見の食い違いがあれば客観的な意見を言う時もありますし、養護教諭から、出産と堕胎のリスクに関しても話がある時もあります。
「産む」予定で、今後も通常通り登校する場合は、周りからの見られ方が変わることを伝えます。担任として「あなたを守る」ことをまず伝えますが、周りから何を言われるかわからないし精神的に辛くなるかもしれないことを伝えておきます。体の変化や体調不良も考えられるので「クラスメイトに伝えても良いか」の確認は絶対必要になると思います。必ずクラスメイトの協力が必要になります。
可能性を考えたらキリありませんが上記のようなことがメインになります!
学校ができる支援
「産む・産まない」どちらを選択するにせよ、登校した場合は学校の支援が必要になるでしょう。
体調不良による欠席や体育などの動きが伴う授業の欠席があると思いますので、その場合は教務部・生徒指導部・教頭・校長と相談をして、レポートでの出席を認めるなどの配慮が必要になるでしょう。
「産む」選択をして今後も通常通り登校するとなると、学校全体での配慮も必要になるでしょう。特に、学級の生徒に対しては、説明が必要になると思います。
さらに、保護者からのクレームは容易に想定できるでしょう。その場合、学級担任、学年、学校がどのように対応するかも事前に相談しておくと良いと思います。
学級担任がどれだけ支援できるかだね。
1番関わるのはやはり担任ですからね!
オススメ書籍
最後に
今日は「【中学校・高校】妊娠した生徒の対応方法 〜学校はどうする?〜」をお伝えします。
結局のところ、決めるのは本人と保護者です。とてもデリケートな内容だと思いますので、慎重に進める必要がありますよね。
本日は以上です。読んでいただきありがとうございました。
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