こんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】新聞の社説を利用した小論文対策(トレーニング)のススメ 〜進路指導・入試対策〜」をお伝えします。
みなさん(主に国語科以外の学級担任)、小論文の対策って難しくありませんか?
いきなり生徒に「書いてみろ」と言っても書けるわけがありませんし、小論文の段落構成であるPREP法を教えただけでも書くことは非常に難しいでしょう。
生徒の成長を促進するためにもやはり、「スモールステップ」が大事だと思います。
今日はそのはじめの一歩として新聞の社説を使った練習方法をお伝えします。
寄ってらっしゃい見てらっしゃい!
社説とは?
まず社説がどういったものかを見ていきましょう。
国内・国外で日々生起する政治、経済、社会などの時事問題について、新聞社、出版社が、社の責任において、その理非を論じたり、説明したりするために紙(誌)上に掲げる意見、主張のこと。
日本大百科全書
それでは実際に新聞に載っている社説の一部を見ていきましょう。
新聞社によって内容や長さが違うので、各学校が契約している新聞社の社説を利用すれば良いと思います。地方新聞と全国新聞の2紙を購読している学校が多いのではないでしょうか。
なぜ社説がいいの?
次に「なぜ社説が良いのか」を見ていきましょう。
それは、「社説はプロの小論文」だからです。
論理的な文章構造と言えば、以下の3つがあります。
①「起-承-転-結」の4段落法、
②「序論-本論-結論」の3段構成法
③「序-破-急」の3段階法
その中で、社説の大半は「序論-本論-結論の3段構成法」と言われ、小論文を書く構成になっています。
つまり、論理的な文章である社説を深く読み、社説の構成を分解していけば書き方がわかってくるということです。
小論文のタイプ
ここでは「小論文のタイプ」を見ていきましょう。
敵(小論文のタイプ)を知らずに戦っても、勝ち(合格)に結びつくことはできません。
どのような問題が出題されるのかを詳しく知りましょう。
小論文には以下の3つのタイプがあります。
①長文読解(課題文)型
②意見提示型
③資料読解型
それぞれ詳しく以下の画像で確認していきましょう。
以上のように3つのタイプがあり、それぞれに大きな特徴があります。
しかし、共通しているのは上記で述べた書き方である「序論-本論-結論の3段構成法」です。
これをプロの小論文である社説を使って勉強することによってどの敵にも対応することができます。
学部学科によっては専門的な知識が必要になってくるので指導が大変ですね!
医療看護になると難しいですね!!
いつから始めるのがいい?
次に、実際に社説を使った小論文の練習は「いつから始めるのが適切か」を見ていきましょう。
この活動はあくまでも、本格的に小論文を練習する前の準備段階で用いる方法です。したがって、入試の日程から逆算して半年ほど前から始めることをお勧めします。
つまり、大学入試では4月頃からコツコツ(週1回〜2回)進め、夏休みから志望校の小論文タイプの練習を開始し、それ以降本格的に練習するというのがおおよその筋書きです。
もちろん、これは生徒の能力や志望校のレベルによるので個人差がある進め方ですのでお含みおきください。
大学入試では、10月11月に指導の渋滞が起こるので早めにできることはやっておきましょう!
どのように練習するの?
それでは「どのように練習するのか」を見ていきましょう。
私は「小論文ノート」を作成して練習させていました。ICT化の時代に逆行しているかもしれませんが、タブレットがあまり自由に使えない貸与型であることとノートを開いたら積み重ねをすぐに見ることができることを踏まえてノートという選択にしました。
それでは実際にどのようにノートを作るのか以下を見ていきましょう。
それでは「要約する」と「意見を書く」に分けて意図を見ていきましょう。
要約する
「要約する」では長文読解型や資料読解型を想定して、「筆者(資料)が伝えたい内容を理解し、まとめる」練習をします。
要約の文字数は社説の文量によります。社説が◯◯文字の場合、要約は◯◯文字という指標はないと思うので、生徒のレベルや社説のレベルに合わせて担当者が決めましょう。
生徒が書いた要約文の内容が、本当に適切かどうかは教員が確認するのが妥当だと思いますが、最近では要約ツールがあるので活用しましょう!!
意見を書く
「意見を書く」では、意見提示型を想定して、読んだ社説の意見を書きます。
最初は、簡単な自分の意見で構いません(スモールステップ)が、慣れてきたところで自分の意見を客観的な根拠と共に示せるように練習していきます。
これがまた難しいんですよね!
しかし、「なぜ」とツッコミを入れられたらそれは論ずることができていないので、「なぜ」の視点を持って添削をすれば明確な根拠へと変わっていくのではないでしょうか。
国語科教員に根回しする(仲良くする)
次に「国語か教員に根回しをする(仲良くする)」を見ていきましょう。
小論文指導は基本的に学級担任の仕事です。
しかーし、やはり専門家である国語科教員に指導力は及ぼないと思います。
したがって、ぜひ国語科教員(特に他学年)に早めに根回ししましょう!!!!
あのー、うちのクラスの〇〇が〇〇大学〇〇学科の入試で小論文があるんですけど、指導していただけないでしょうか。先生の力が必要です!!
しゃあないなー!
頼れるところは頼りましょう!
しかし、土台を作ってから引き渡ししないと0からの指導は逆の立場で考えてもしんどいと思います。そのための今回の社説を使った練習なのでぜひご活用ください。
そして、引き渡しする時に渡すと丁寧だと思われるものを以下に載せておきます。丸投げするのではなく、指導する先生の視点に立って必要なものはこちらで準備しましょう。
①過去問(5年分ほど)
②試験レポート(校内・校外)*校外レポートはハイスクールオンラインにあります。
③これまで練習した内容
④作文用紙
⑤生徒の挨拶
⑤は、受験予定の生徒が国語科教員のところに行き挨拶をすることです。「そんなんさせなくてええやろ」と思うこの記事をご覧になっている先生もいるかもしれませんが、相手(国語科教員)が気持ちよく一生懸命指導してくれるためには必要な手はずなのではないかと思っています。
考え方はヒトソレゾレネ。
オススメ書籍
最後に
今日は「【中学校・高校】新聞の社説を利用した小論文対策(トレーニング)のススメ 〜進路指導・入試対策〜」をお伝えしました。
小論文指導の導入としては良い教材なのではないかと思います。ぜひぜひご活用いただければと思います。
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