みなさんこんにちは、草食系高校教師です。
本日は「【中学校・高校】英語プレゼンテーション指導 〜指導者の関わり方〜」をお伝えします。
新学習指導要領が小学校では2020年度から、中学校では2021年度、高校では2022年度から全面実施となります。
これまで続けてきたアクティヴラーニング(主体的・対話的で深い学び)の授業スタイルの推奨は継続となり、今後も生徒が受け身ではない授業スタイルが取られていくと思います。
英語に関わらず、プレゼンテーションをする場面が少なからずあるのではないでしょうか。
最近では、キャリア教育や探求学習で発表する機会が多くなっていると思います。
プレゼンやるけど指導方法が難しい…
プレゼン大会の指導を何度かしてきましたので、ノウハウをお伝えしますよ!
今日は、
・「プロフィール」
・「プレゼン大会の基本情報」
・「指導スケジュール」
・「大会参加基準」
・「発表までの流れ(教員の働きかけ)」
・「NGな指導」
をお伝えします。
「発表までの流れ(教員の働きかけ)」のカテゴリーの中に、「プレゼンテーションで意識すべき8つのこと」を載せています。
教科関係なく使えるプレゼンテーションの指導の内容になっていますので是非ご活用ください。
プロフィール
私は教員として学校の独自科目(選択科目)で数年間プレゼンテーションを教えていました。
さらに、大会に参加するためのプレゼンテーションチームの顧問として携わってきました。また、英語プレゼンテーション大会の審査員をさせていただいたこともあります。
すっご!
全然すごくないのです。最初は失敗ばかりでした。。。
プレゼンチームの顧問として大会に出場した時は、県単位で行われる英語プレゼンテーション大会で準優勝しました。
「私の指導で生徒は準優勝したんだ!!」とは1つも思っていません。
生徒が努力したからですし、逆に生徒に連れてきてもらったと思っています。
2年で準優勝まで導いたプレゼンテーション指導をお伝えします。
指導経験ゼロでしたのでyoutubeの動画や本(以下2冊参照)を読んで勉強しました!
プレゼン大会の基本情報
大会規模
県内約50校が出場する正式な大会です。
約10年前から大会が行われ、審査委員にはNHKの英語番組に出ているあの人や大手旅行会社の重役、大学教授などがいました。
テーマ例
「フードロスの削減の提案」や「環境教育の新しいプログラムを提案」などの「提案型プレゼンテーション」でした。
生徒層(勤務校)
進学校ではなく、特段賢い生徒はいませんでした。偏差値40〜50程度の生徒が多かったです。
英語が得意な生徒はいませんでしたが、好きな生徒とやる気がある生徒が多かったです。
プレゼンテーション大会への参加は生徒全員初めてでした。
メンバー構成
メンバー構成は 高1(3人)・高2(3人)の男女混合6人グループでした。
他校は最低4人、最高で10人でメンバーが構成され男女混合が多かったです。
発表方法
発表方法は大会規定により「自由」でした。
私が担当した時はパワーポイントと模造紙を使って発表しました。
他の学校は、パワーポイントでの発表が多かったですがミュージカル・動画で発表するところもありました。
指導スケジュール
大会要項が運営のHPに掲載されてから校内で生徒募集をし、全体の活動自体は実質3ヶ月程度でした。
活動は週3日の放課後約2時間と隔週土曜日の午後からでした。以下は全体スケジュールになります。
大会審査基準
大会の審査基準は7つの項目がありました。
一般的な提案型英語プレゼンテーションの審査基準だと思います。
合計100点で点数がつけられますが、審査は内容を重視していました。
英語の運用能力が乏しくても内容が良ければ上位に残っていることが多かったです。
発表までの流れ(教員の働きかけ)
①チームワークを高める
まずは、学年が違えば男女ということで大きな壁がありましたのでチームワークを高めなければいけませんでした。
大人もそうですが、知らない者同士だと動きは良くないですよね。
最初の顔合わせの時は、手っ取り早くお菓子パーティをしました。(校長に許可取りました!)
“楽しい時間を共有する”ところからスタートです。
②テーマ決め
大会で出題された大きなテーマから、グループが発表するテーマを決めます。私がテーマ選びで心がけたことは英語の5W1Hです。
5W1Hを示した後は、ターゲットを絞ることを意識させています。
例えばテーマが「外国人観光客を増やす新たなプロジェクトの提案」であれば、国、性別、年齢層等を決めます。
ターゲットを絞らないと調査しにくくなりますし、話の内容がいろんな方向に行ってしまいぶれてしまうからです。提案型のプレゼンテーションはマーケティングの考え方も必要になってきます。
③調査
内容を充実させるためには調査がとてもカギになってきます。
特に、提案型のプレゼンテーションは実際のデータや取材等、多角的にリサーチをしなければ上位に行くことができません。
また、具体的にどのような広報活動をするか、実施計画全体でどのくらいの費用がかかってくるか、なども細かく提示しなければいけませんでした。
こりゃあ大変だー。
ここらへんから生徒のモチベーションが下がります。
ここでも「5W1H」を使います。
④スクリプト(原稿)作成
調査が終わったら発表原稿を作ります。
「何を提案したいか」を軸に、何を内容とするかを話し合わせました。
いきなり英語で作成することは難しかったので、日本語にしてから英語にしました。英語科の教員を総動員して生徒と一緒になって必死に作りました。英語の細かいニュアンスはネイティブの先生にお願いしました。
⑤発表練習 *プレゼンテーションに共通しています
スクリプト作成が終わったらいよいよ発表の練習をします。8つのことに気をつけていきます。
「いきなり練習するぞー!」と言っても難しいですので、私は初日にスティーブ・ジョブズの初代iphoneの発表会の動画を見せます。
これにはプレゼンテーションの極意が詰まっています。
見せ方、抑揚、声のトーン、話し方、どれをとってもすごいの一言に尽きます。
本番2日前までは、とにかく追い込みます。そして、本番前日と当日は褒めまくります。
⑥大会本番
大会当日に教員がすることはいつも通りで接して安心感を与えることです。長い時間生徒と接してきているので信頼関係はできているでしょう。
緊張でガチガチの場合は、円陣を組んだり、エイエイオーをしたりとリラックスさせる働きかけをすることもありました。
正直、教員側の方が緊張でガチガチでしたけどね。。。
NGな指導
あなた、これやって。あなたはこれね。
は、はい。。
最初から最後まで教員が「あなたはこれをやって、あなたはこれね。」といったことは絶対してはいけません。
あくまでも教員は、レールを敷いてあげるだけで、実際にどのように動くかは生徒同士で考えてさせなければ活動の意味がないのです。
1年目に携わった時は、あれもこれも口を出してしまい、生徒が受け身になってしまい大きく失敗しました。自主性を身につけるためにも一歩引いて見守りましょう!
最後に
本日は「【中学校・高校】英語プレゼンテーション指導 〜指導者の関わり方〜」をお伝えしました。
「思考力」「判断力」「表現力」を身につけるにはとても良い活動だと思います。今回は大会のことがメインでしたが私は英語の授業にもプレゼンテーションを取り入れています。
今後、総合的な時間や探求の時間、キャリア教育などで発表する場が増えるのではないでしょうか。
ぜひご活用していただければ嬉しいです。
本日は以上です。お読みいただきありがとうございました。もしよろしければ下のランキングをポチッと押していただけるとありがたいです。
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