こんにちは、草食系高校教師です。
今日は「いじめの対応方法」をお伝えします。
「いじめの対応は非常に難しい」この一言につきます。被害生徒の心のケア・被害生徒の保護者対応・加害生徒の指導・加害生徒の保護者対応など、イレギュラーな対応が多くあります。
いじめの対応で1番大切なことは「被害生徒のことを最優先に考える」です。つまり、被害生徒が安心して登校できる環境づくりが急務ということです。そのためには素早くかつ丁寧に対応しなければいけません。今回は対応の流れと注意点を中心に詳しくお伝えします。

迅速な対応が生徒のためになります。ぜひご覧ください!
いじめ発覚後の対応方法

いじめの対応は学級担任だけでなく、チームで対応します。学級担任・学年主任・学年生徒指導部・生徒指導部長・教頭が主に関わり対応していきますが、学校によってはスクールカウンセラー、教育相談係や養護教諭などが関わることもあります。
生徒指導案件が出てきたら報告連絡相談(ホウレンソウ)がカギになってきます。起こったことは逐一関係各所に報告し、全員で相談しながら進めます。1人の判断で行動してはいけません。
対応の流れと注意点

- STEP1周囲の生徒から学級担任に相談(いじめ発覚)
学級担任は詳しく状況を聞きます。草食系高校教師このときに相談をしてくれた生徒には必ず2つのことをします。
①必ず褒める。そして感謝を伝える。
②言ってくれたことは誰にも言わないことと不利な立場にはならないようにすることを伝える。 - STEP2学級担任→学年主任・学年団に報告
いじめの内容を学年主任と学年団に伝え指導計画を立てます。 - STEP3学年主任→生徒指導部長(部活動顧問)
学年主任からいじめの内容と今後の対応方法を生徒指導部長に伝えます。部活動に所属していれば顧問にも伝えましょう。 - STEP4被害生徒から事情聴取
学級担任・学年主任・(学年生徒指導部)が被害生徒と話をします。草食系高校教師「絶対守るから、安心しなさい」と被害生徒に安心感を与えることが大切です。
- STEP5被害生徒の保護者連絡
事情を説明し、今後の対処方法を伝えます。自分の子供が被害にあっているとなると学校側への信頼はほとんどありませんので、クレームがくることがあります。かなり慎重に対応しなければいけません。(来校してもらう場合もあります)保護者に対しても「必ず守ります」と、精一杯対応する旨を伝える。 - STEP6加害生徒からの事情聴取と指導
この時間が1番の山場です。細かいところまで気を配る必要があり、生徒を呼ぶ方法・話の聞き方・持っていき方・落とし所を事前に綿密に相談し事情聴取・指導をします。1番大切なのは「いじめがいけないこと」を理解させることです。諭すタイプの先生・叱るタイプ先生がいますが、私はこういう場合は激昂します。
ひこ加害生徒が複数人の場合は1人ずつ呼び出し、1人ずつ話を聞きます。口裏を合わせるのを防ぐためです。
- STEP7学年団・生徒指導部長・教頭に報告
状況を説明し、今後の対応方法を相談します。被害生徒と加害生徒の話を聞いて事実確認が済んだため、ここで初めて教頭に報告します。
*加害生徒の保護者を呼ぶことになると思います。 - STEP8加害生徒の保護者連絡
状況を説明し、来校してもらう旨を伝え、日程の調整。 - STEP9被害生徒の保護者連絡
加害生徒の事情聴取内容を伝えて今後の流れを説明。被害生徒の保護者の対応は、何を言われても慎重かつ丁寧にしましょう。 - STEP10学年団・学年主任・生徒指導部長に報告
保護者の様子やクレームがあるかなどを共有します。 - STEP11加害生徒と保護者来校
事情聴取したことをありのまま保護者に話しますが、可能な限り生徒本人から説明するように促します。保護者への家庭での指導をお願いします。 - STEP12学年団・生徒指導部長に報告
保護者の様子やクレームがあるかなどを共有します。 - STEP13被害生徒の保護者連絡(来校してもらう場合あり)
改めて今回の件を詳しく説明し、学校側が取ったまたは今後取る対応を伝えます。 - STEP13保護者来校時の内容を学年団・学年主任・生徒指導部長に報告
保護者の様子やクレームがあるかなどを共有します。
これは基本的な流れです。しかし、「学校はイレギュラーがレギュラー」ですので、被害生徒の保護者から「被害生徒に直接謝らせてください」や「私も学校に行って被害生徒の保護者と直接話をしたいんだけど」と申し出てくる場合もあります。その場合は話し合いに同席する教員が変わってきますし、対応方法も異なります。
同時進行で状況報告書の作成が必要になってきます。自分の頭を整理するためにも使えますので、ゆっくり丁寧にやりましょう。
通常の学校生活に戻ってから

面談
心のケアをするために面談をします。最初は毎日面談してもいいと思いますが、毎日→3日に1回→週に1回→月に1回といった頻度で徐々に間隔を空けていきます。
保護者連絡
被害生徒が帰宅したら電話でその日の様子を聞きます。また、学校生活の様子を伝えます。継続して2週間くらいが目安ですが、保護者に伝えなければいけないメッセージは学校側が「精一杯対応している」ということです。ただでさえ、いじめの被害生徒の保護者の学校への信頼度はガタ落ちです。回復させるためにも毎日の連絡をして、誠意を伝えます。
再発防止

いじめの再発防止に努めます。指導段階で、加害生徒にしっかり理解させていれば以下のことはしなくても構いませんが、念には念をということで紹介します。
加害生徒は「被害生徒がチクった」と思っていますので、いじめの2次被害が出るかもしれません。それがエスカレートする場合もあるでしょう。そのために、校内外パトロールが必要になってきます。
休み時間に校内パトロールをし、「見ているぞ」ということを加害生徒だけではなく全生徒に植え付けます。突然教室に入利、いつ来るかわからない状況を作り出します。
校外パトロールも必要であればしたほうが良いでしょう。下校途中にいじめられている場合も考えられますので下校ルートのパトロールをすることもあります。
最後に
今日は「いじめの対応方法とは?」をお伝えしました。短い夏休み・暑さ・例年よりも授業震度が早いなどの理由で、生徒のストレスが溜まることが考えられます。自分のストレス解消方法がわからない生徒は他人にぶつけてしまうことがあります。いじめが起こった場合は冷静に対応し、最小限の対応で済むように今回は指導の流れや注意点を軸にお伝えしました。
ぜひご活用いただければと思います。ありがとうございました。

対応方法わかりやすいな

基本的な流れこのような形になると思います。私も最初は全然わかりませんでした。。。
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