こんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】教員のための公立学校と私立学校の違い 〜私立学校特有の仕事?〜」をお伝えします。
何が違いまんの?
私立学校の職員だけが抱える仕事があるんよ。
教員採用試験で公立学校と私立学校どちらを受験するか悩んでいる方や転職を考えてる方みなさん、今日は「私立学校だけが行う業務」をお伝えします。
業務内容
ここでは4つのカテゴリーに分けてお伝えします。
みなさんの参考になればとても嬉しいです。
①入試業務
1つ目は「入試業務」です。
「公立高校もあるよ!」と思うかもしれませんが、私立は入試問題作成業務があります。さらに、それに伴う業務が非常に多いんですよ!!
それではさらに7つの業務内容に分けてお伝えします。
1. 入試問題作成
1つ目は「入試問題作成」です。
この入試問題作成が入試業務の中で最大の敵です。
3教科(国語・数学・英語)か5教科(国語・数学・理科・社会・英語)の問題を推薦入試用と一般入試用の2種類作成します。
2種類!?大変だ。。。
大変なのよおおおお!
夏休み明けから入試問題作成が本格化されるので、夏休み期間中に複数の担当者が作成します。その後、夏休み明けから教科内で入試問題作成会議が(ほぼ)毎週行われ、年内には完成する運びとなります。
流れとしては、「教科会議→試作品→公務運営会議→直し→試作品→公務運営会議」となります。管理職や各教科主任がいる公務運営会議にて、問題の精査を繰り返し行われます。
入試問題は「学校の顔」や「受験生(入学者)に送る最初のメッセージ」と言われるくらい大切なものです。出題した問題が「学校のレベル」や「学校の評価」に直接つながるからです。
- STEP1担当者が問題作成
大問ごとに振り分けられ、夏季休暇中の宿題とされることがあります。
- STEP2教科会議
個人で問題を作成して、それを教科内で確認します。英語の高校受験であれば、問題で使われている単熟語や文法が中学校で習う範囲なのかを1問ずつ確認しながら進めていきます。また、文字の大きさ、字体、行間、段落等をきれいに整える必要があります。
- STEP3教科外教員確認
教科内で作成した問題を教科外の教員(管理職を中心)に確認してもらいます。訂正や疑問があれば再度教科会議を行い、修正して再度確認をしてもらいます。このサイクルを繰り返します。
- STEP4印刷
印刷は業者にお願いする場合がほとんどだと思います。印刷の日には教科主任が印刷会社を訪問し、確認しながら行います。
- STEP5完成
2.学校訪問
2つ目は「学校訪問」です。
全体の入試業務が本格化する夏休み明けから、入試広報部が小学校や中学校へ訪問します。入試広報部がない場合は、全教員が割り振られた学校に行くこともあります。
私は全教員が入試広報部を兼務する高校にいたことがあり、放課後に中学校周りをしていました。。。
1教員につき2〜5校程度の担当校が割り振られますが、直接担当者と連絡を取り、児童生徒の受験校を聞いたり、募集要項を持って行ったりと営業のようなことをします。
3. 入試当日業務確認
3つ目は「入試当日業務確認」です。
入試当日までに数回に分けて流れを確認します。受験生来校から帰るまでの流れをこと細かく確認しますが、来校後の注意事項の文言や試験前と試験後の試験監督が連絡する文言など、一語一句統一していきます。(学校による)
「あの教室では連絡があったのに」や「言われていない」といったことがあると受験生の不公平になってしまい学校の信用がなくなってしまうためです。
さらに、試験監督中の特別な対応(受験生の体調不良・トイレ途中退出・天災など)を何度も確認し、対応の統一を図ります。
4. 入試試験監督
4つ目は「入試試験監督」です。
試験監督前の約10分前に本部に集合し、一斉に試験会場に向かい全員同時刻に入室します。受験生が持参した資料を見る時間に差があると不公平になるため同時に入室としています。
入室後は全員着席していることを確認し、試験5分前に1人ずつ問題を配布します。チャイムが鳴った直後に開始の合図を行い、試験中は試験監督が持っている顔写真と名前が載っている表を見て1人ずつ本人であるかを机間巡視で確認します。
試験監督は2人体制で行い、前に1人後ろに1人となります。質問がある場合やトイレ退出の場合は1人が本部に連絡したり途中退出者を連れて行ったりします。
5. 採点・入力
5つ目は「採点・入力」です。
採点業務は、受験者数や教科内の人数により異なりますが、1日〜3日かけて行います。大問ごとに採点し、ミスがないように5重チェックくらいします。試験点や試験自体の開示をしているかどうかも関係していますね。。。
採点後には入力を行いますが、これも同様に5重チェックくらいします。
6. 面接・入力
6つ目は「面接・入力」です。
面接官を務める教員は、基本的に管理職です。私は管理職(進路指導部長)経験者なのでその時の話をしますが、2日間9時〜16時頃まで、20分刻みで面接をしました。
教員は案内担当、面接担当や本部担当に分かれ、業務を行いました。面接の質問内容はある程度決まっており、基本的にその質問をしますが受験生の様子を見て質問を変えたり深く聞いたりもします。
面接試験終了後には、採点項目の点数を入力します。合否会議の判定資料になります。
7. 合否判定会議
7つ目は「合否判定会議」です。
これは面接試験後に行われると思います。判定資料としては学力試験の点数と面接試験の点数を合わせたものになります。
会議の内容としては、成績や面接点が著しく悪かった生徒の状況確認です。試験監督中や面接中の該当生徒の様子を担当者から聞き、合否の判定をします。
②パンフレット・ポスター作成
大きい見出しの2つ目は「パンフレット・ポスター作成」です。
このパンフレットやポスターは以下のものを作成していました。
- 学校パンフレット
- 学校祭ポスター
- 広報誌
外注化している学校がほとんどですが、私が勤務していた学校は職員が作成していました。私が担当したこともありますが、超大変です。
流れとしては、レイアウト作成→写真撮影 →文言作成・確認(校長挨拶・募集要項・部活動紹介など)→デザイン作成→職員確認→印刷の順で行っていました。
もう一生やりたくありません!!!!
③学校案内・学校説明会
3つ目は「学校案内・学校説明会」です。
受験生・受験生の保護者・小学校の先生・中学校の先生・塾の先生方を対象に学校案内や学校説明会を実施します。
来校される場合と訪問する場合がありますが、教育内容の説明、学校行事の紹介、学校の設備紹介等、学校を売り込む大切な場になります。
「学校説明会」と全体で行うこともありますが、単発で行うこともあり10月以降、平日や土曜日に「◯◯中学校◯名来校」と近隣の学校から訪問することがあります。
④オープンスクール
4つ目は「オープンスクール」です。
夏休み以降に、小学生や中学生を対象としたオープンスクールが数回実施されます。全体会→授業体験や部活動体験という流れになります。
学校の様子や雰囲気を受験学年の児童・生徒に知ってもらう大切な機会です。学校側は良い印象を持ってもらいたいと授業内容や学校内のレイアウトに力を入れています。
最後に
今日は「【中学校・高校】教員のための公立学校と私立学校の違い 〜私立学校特有の仕事?〜」をお伝えします。
公立学校にはない仕事が多かったのではないでしょうか。特に、入試業務には全職員が力を入れて取り組みます。公立学校にはないことだと思いますが、生徒募集に失敗したら教員を減らす必要がありますし、給与が減ることもあります。
逆に、成功したら増えることもあるので、それをやりがいとしている人もいるかもしれません。私が勤めていた学校は年々入学者数が増えていったためか、1年目と最終年とでは賞与の額が倍くらい違いました。
公立学校と私立学校で悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。ありがとうございました。
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