こんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】学級担任ができる不登校生徒の対応 〜登校刺激はどう与える?〜」をお伝えします。
皆さんが勤めている学校にも不登校の生徒が学校に1人、いや、学年に1人以上はいるのではないでしょうか。
私個人としては、「不登校が悪」とは全く思いません。学校に来る来ないは自由だと思います。
しかーし、学校教員としては「学校を通して気づきや学びがある日常を送って欲しい」という願いがあります。
そのために、学校・生徒・保護者がWIN-WIN-WINの関係になれるような働きかけができればと思います。
今日は「不登校生徒」に焦点を当ててお伝えしていきます。
それでは見ていきましょう!
不登校生徒の推移
「不登校生徒が増加している」というのを年々感じますが、実際のところ統計ではどうなっているのでしょうか。
以下は過去3年分の文部科学省による不登校生徒数の統計結果です。
統計から見てわかるように、学校種にかかわらず不登校生徒は増加しています。その数は群を抜いて中学校が多いのが分かります。
それでは、不登校理由を見ていきましょう!
不登校理由
生徒が抱える不登校の理由は本当に様々です。
平成30年度の小・中学校における不登校理由上位3つをお伝えします。
*高校は見当たりませんでした
小学校
1位 55.5% 家庭にかかる状況
2位 21.7% いじめを除く友人関係をめぐる問題
3位 15.2% 学業の不振
中学校
1位 30.9% 家庭にかかる状況
2位 30.1% いじめを除く友人関係をめぐる問題
3位 24.0% 学業の不振
平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要を参考に作成https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/000021332.pdf#search=’文科省+不登校生徒+推移’
この不登校理由の統計はおそらく学校側が公立学校であれば教育委員会、私立学校は学事課に提出したものでしょう。
「家庭事情かかる状況」が理由としては1番多いですが、実際のところは2位である「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が現場から見てとても多いです。そして、「いじめを除く」のではなく含んでいる場合がほとんどだと思います。
学校評価を下げないために嘘の報告をしていると考えるのが普通かもしれません。。。
不登校の定義
文部科学省の不登校の定義は「年間30日以上欠席。しかし、病気や経済的な理由によるものを除く」です。
以前は「50日以上」の欠席を「不登校」とみなしていましたが、平成10年度以降は、文部科学省の公的な見解として「30日以上」へと変更されました。
平成9年度までは、文部科学省の学校基本調査において、「不登校」という文言ではなく、「学校ぎらい」という名称が使われていたのも特徴です。平成10年度を境に、「不登校」の定義として「年間30日」という基準が示され、それ以降は変更がなく、現在に至ります。
対応方法
生徒それぞれが抱える事情により対応方法が異なりますが、基本的な対応方法をお伝えしようと思います。
「30日」と定義はありますが、実際30日休んでから担任が行動するわけでありませんので「不登校傾向があるんじゃないか」と思った時点からスタートすることにします!
- STEP1学年主任に相談
- STEP2生徒面談
*直接話せない場合多々あり
- STEP3保護者連絡
- STEP4不登校が継続しそうであれば(養護教諭・教育相談委員会・特別支援コーディネーター・生徒指導部長等)
基本的にこの4STEPになります。
直接生徒や保護者と対応するのは基本的に学級担任です。不登校になる生徒には必ずきっかけがありますので、そのきっかけを知ることから始まります。
直接、生徒から話を聞ければ良いですが、聞くことができない場合は保護者やクラスメイトから話を聞くしかありません。
上記の不登校理由1位の「家庭にかかる状況」の対処は学校側が介入するのは難しいですが、2位の「いじめを除く友人関係をめぐる問題」と3位の「学業の不振」であれば対処可能な範囲です。
まずは状況を確認して、関係各所と報告連絡相談しながら対策を練りましょう。
重要なのは報告・連絡・相談です!一人で抱えたらダメ!
対応するときに気をつけること
①保護者との連携
不登校生徒対応の1番のカギは保護者です。
不登校の理由が何であっても保護者の協力がなければ不登校生徒の改善はできません。(保護者が故意に学校に行かせない場合は除く)
保護者は子供が「不登校になった」ことに関して、少なからず学校へ不信感を抱いているでしょう。その不信感を払拭するためにも学級担任の保護者への働きかけ方が大切です。
最終的に、不登校生徒が登校できるようになることが1番良い着地点だとは思いますが、思い通りにならない場合の方が圧倒的に多いです。
その場合、働きかけ方によって保護者は以下の二手に分かれます。
A:クレームをつける
1つ目は「クレームをつける」です。
学級担任・学年・学校側の不登校生や保護者への働きかけ方が不適切だった場合は、クレームをつけられる場合があります。
上記のように、「不登校になった」だけで学校側に不信感を抱いている保護者が多いので、以降の対応に失敗するとモンスター化します。
丁寧かつ慎重に1つずつ言葉を選んで対応しましょう!
B:感謝を伝える
2つ目は「感謝を伝える」です。
学級担任・学年・学校の対応が不登校生や保護者への働きかけ方が適切だった場合は、例え不登校が継続したとしても感謝を伝えられることが多いでしょう。
学級担任・学年・学校がどれだけその生徒に向き合って行動したかが大切です。「学校はこんなに真剣に対応してくれた」と思ってもらえることがとにかく大切です。
私としては、改善できなくて「感謝を伝えられる」ことが非常に悔しいです。
②登校刺激
不登校生徒に登校刺激を与える必要があります。(場合による)
保護者と該当生徒が同意の上で、学校に来ない場合は登校刺激を与える必要がないかもしれません。
そして、この登校刺激の与え方や頻度がとても難しいです。
電話・家庭訪問・手紙など様々な方法がありますが、直接話すことが嫌な生徒もいますし、手紙だと距離を感じてしまう生徒もいるでしょう。
また、頻度も気をつけなければいけません。登校刺激を与えすぎては逆効果になりますし、与えなさすぎもさらに学校から心や体が離れてしまうことにつながります。
私は、それとなく保護者に聞いてみます。「電話嫌がってませんか?」「毎日連絡するのは負担になりますか?」などです。
保護者に「私は生徒のことを真剣に考えています」ということも伝えられることができるのでおすすめです。
毎日連絡されることを嫌がる保護者もいるのでそれとなく聞いてみるのが吉です!
学級担任の働きかけ方
ここでは上記の保護者連絡と不登校生徒の登校刺激とは別の角度から話をしたいと思います。
それは「第3者(クラスメイト)からの刺激」です。
私は実践経験がありますが、この方法は少しリスクがあります。
不登校になってしまった生徒と仲が良かった生徒やクラス内で信頼できる生徒にお願いをして、連絡を取ってもらいます。
その生徒に「可能なら」というニュアンスを強く出して「連絡取ることできる?」「もしできたら連絡取って欲しい」と話をします。その時に「担任に言われたから連絡取った」と言わないで欲しいとも伝えます。
これは賛否があると思いますので状況次第ですね!
最後に
今日は「【中学校・高校】学級担任ができる不登校生徒の対応 〜登校刺激はどう与える?〜」をお伝えしました。
不登校生徒は年々増えています。理由は様々ですが、学級担任・学年・学校の働きかけで、登校できるようになる生徒が1人でも増えたらと思っています。もちろん、自主的に不登校になっている生徒がいるのは、その生徒の選択なので尊重したいと思います。
ぜひ参考にしていただければと思います。本日は以上です。ありがとうございました。
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