こんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】SNSトラブルを減らしたい! 〜具体的な事例と情報モラル教育〜」をお伝えします。
SNSのトラブルなんとか止めないとね。
人間関係のトラブルの9割はSNSが発端ですね!
スマートフォンやタブレットの普及によって私たちは様々なウェブサービスやアプリを使って容易に大量の情報を得ることができるようなりました。
そして、SNSの発達により他者と簡単にコミュニケーションを取れるようにもなり、とても便利な時代に突入しています。
時代と共に児童・生徒のスマホ普及率は年々伸びています。2022年の調査によると、小学6年生では5割、中学2年生では8割、高校生では9割7分の所有率があるそうです。
それに比例して、SNSが発端のトラブルは急増し学校現場は毎日のようにその対応に追われています。
さて、今日は私がこれまで経験してきたSNSトラブルの事例、対応方法や使えそうな指導教材をご紹介します。
それでは見ていきましょう!
SNSトラブル事例
それでは実際に学校現場で起きたトラブル例を見ていきましょう。
①不適切な情報発信
1つ目は「不適切な情報発信」です。
SNS(Twitter, LINE, Instagramなど)を通して、嘘の情報を流したり、犯罪紛いの写真や動画を載せたりすることです。
記憶に新しいところでは2023年に起きた、高校生の少年が醤油ボトル、湯呑み、寿司に唾液を付着させているところを撮影し、アップした動画です。(通称ぺろぺろ事件)
さらに、数年前に「バカッター(バカとTwitterを混ぜたかばん語)」という言葉が流行り、「コンビニのアイスを売っているケースに入っている」や「ホテルの厨房で風呂に入っている」などの写真をTwitterにアップしあったこともありました。
いずれも高校生が関与していることもあり、教員は不適切な情報発信について強く指導する必要がありますね。
②誹謗中傷
2つ目は「誹謗中傷」です。
SNS(特にLINEのグループ)にて隠語を使って悪口を言ったり、直接的に「あいつうざいw」「邪魔w」などの悪口を発言したりする事例がよーーーーーーーーくあります。
そういった問題を処理する時は、そのSNSの画面を見せてもらったり、証拠として保存させてもらったりしますが、はっきり言ってえぐいです。そこには恐ろしい言葉が羅列され、ある程度人生経験のある大人でさえ言われたら心がえぐられる思いをすること必至な内容です。
また、写真や動画を撮影し、加工して生徒同士で送りあったりLINEグループやTwitterなどに貼ったりする事例もこれまでにありました。
③コミュニケーション
3つ目は「コミュニケーション」です。
「LINEの既読スルーや未読スルー」、「Instagram・Twitterのハートをつけない」などが発端でトラブルに発展することは珍しくありません。
「現代っぽいなー!!」と思いますね。。。
中高生、特に女子生徒は多数のLINEグループに所属しています。(とんでもない数です)
そして、InstagramやTwitterでも同様につながっているので、全てチェックして反応しなければ実生活で無視される可能性があるそうです。
④異性
4つ目は「異性」です。
女子生徒がSNS上で知り合った男性と直接会ってわいせつな行為をされたり、ストーカーされたりといった事例がたまにあります。
また、男子生徒が交際を断られた(別れた)女子生徒にストーカーや嫌がらせ(性的な写真や動画をSNSに流すなど)をするといった事例もこれまでにありました。
包丁を持って…というのもありましたね。。。
SNSトラブル指導例
次に「SNSトラブル指導例」を見ていきましょう。
SNSのトラブルはこの先もずっっっっっっっとあるでしょう。個別に対応していたらとても体が持ちませんので、個人や全体に危機感を与える指導例を紹介します。
それは、「その行為が犯罪であることを伝える」です。「生徒を信じて心に訴えかければ生徒は必ずわかってくれる。」は、はっきり言って綺麗事だと思います。
私は私立で教員をしているので、1つの事件事故が学校の生徒募集や経営に大きく影響することを知っています。少しビジネス的な見方になってしまいますが、生徒が減ると学校の経営が悪くなり、生徒の教育にお金をかけられなくなり、教員の給与が減ります。
もちろん考え方のトップには「生徒を守る」がありますが、その次には「学校を守る」と「自分を守る」があります。
少し話がずれましたが、犯罪行為であることを伝えることは三者を守るための言葉であると考えます。
指導に正解なんかありませんが、「◯◯罪だからそれ犯罪ね」の一言は結構大きいと思います。それでは上記4つの問題ではどのような罪に問われるか見ていきましょう。
①不適切な情報発信→威力業務妨害罪、器物損壊罪、肖像権の侵害など
②誹謗中傷→傷害罪、名誉毀損罪、侮辱罪など
③コミュニケーション→傷害罪、名誉毀損罪、侮辱罪など
④異性→ストーカー規制法違反、公表罪、公表目的提供罪など
指導教材
ここではインターネットトラブルを防ぐ指導実践例をお伝えします。
3つのコンテンツを紹介します。
①LINEが提供している情報モラル教材
1つ目は「LINEが提供している情報モラル教材」です。
LINEが提供している情報モラル教材を利用し、道徳教育や情報の授業で使えると思います。アクティブラーニングできるような教材になっていますのでとても使いやすいと思います。
以下にリンクを貼っておきますので覗いてみてください。
https://d.line-scdn.net/stf/linecorp/ja/csr/sns_note_20200301.pdf
②警察が提供している情報モラル教材
2つ目は「警察が提供している情報モラル教材」です。
Youtubeに「情報モラル 教育」と検索すると相当数出てきますが私のオススメは愛媛県警察公式チャンネルの動画です。
誹謗中傷・不適切な動画投稿など事例別に分けられてます。1動画10分弱の動画ですので生徒は飽きずに見ることができます。
③市販の教材
最後に
今日は「【中学校・高校】SNSトラブルを減らしたい! 〜具体的な事例と情報モラル教育〜」をお伝えしました。
中高生のインターネットトラブルが後を立ちません。しつこくしつこく学級担任や教科担任、学年や学校集会を通して全体に周知していく必要があります。
私たち教員の見えないところで起きていることですので、直接的に食い止めることはできませんが、間接的にできることはしなければいけませんね。
コメント
SNSの便利さと裏腹に、感情が伝わりにくかったり、距離感が曖昧だったりしますよね!
トラブルを予防するための手法を解説されていて、とても参考になります!
コメントありがとうございます。便利なものには必ず不便な面もあるのでそこを伝えたり感じさせたりできればいいなと考えています。トラブルの事例や対応の方法の共有は必要だと思うので参考になっていれば嬉しいです!