みなさんこんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】SNSトラブル(生徒指導問題)の対応方法 〜初期対応から解決まで〜」をお伝えします。
この記事をご覧の教育関係のみなさん、生徒指導問題の9割がSNS絡みじゃありませんか?
近年のスマートフォン等の急速な普及に伴い、中学校や高校で起きる生徒指導問題の中で群を抜いて多いのが「SNS問題」に違いありません。
「SNS問題」と言っても、SNS内で生徒同士が直接起こすものだけでなく、SNSが発端で起こる間接的なものも含みます。
そして、SNS問題の中で圧倒的に多いのが冷やかしからかいなどの「いじめ」に繋がるものです。
今日はSNS問題、特にいじめにつながる問題が発生した時の初期対応から解決までをお伝えしたいと思います。
初担任の時はテンパりました!ご覧の若い先生!ぜひご覧ください!
初期対応
初期対応(初動対応)は非常に大切です。
初期対応が迅速かつ適切であるかが、その生徒指導問題を解決できるか、または大きな問題に発展してしまうかどうかの9割が決まると言っても過言ではありません。
初期対応しか勝たんです。
しかし、生徒指導問題の数だけ解決方法があります。
今日は、SNS問題(いじめ)が発覚したときの2つのパターンをピックアップして初期対応をお伝えします。
①被害生徒本人が訴えてくる場合
1つ目は、生徒本人が教員に訴えてくるパターンです。
LINEで悪口を言われています。
- ①報告・連絡・相談(職員室)
学年主任に報告連絡相談する。また、学年生徒指導部や学年教員にも連絡したほうが良い(組織形態による)
- ②事実確認(被害生徒と面談)
被害生徒のLINEの画面を確認(スクショを撮る・教員タブレットなどに送ってもらう)*学級担任と学年主任対応(学年生徒指導部対応)
- ③近況を確認(被害生徒と面談)
加害生徒と最近何かあったかを確認 *学級担任と学年主任(学年生徒指導部対応)
- ④今後について確認(被害生徒と面談)
被害生徒が今後加害生徒とどのような関係になりたいかの確認(仲直りしたいか) *学級担任と学年主任(学年生徒指導部対応)
- ⑤保護者への連絡確認(被害生徒と面談)
被害生徒に保護者に連絡する旨を確認
- ⑥今後の対応の相談(職員室)
保護者にどのように対応するかの作戦会議。
- ⑦保護者連絡
事実を伝え、学校の今後の対応方針を伝える
一人で対応しない!!学年主任は、生徒指導部長に報連相。
被害生徒は勇気を出して教員に訴えてくるので、安心させる声かけを必ずします。「守る」という姿勢を貫きます!
②被害生徒以外が訴えてくる場合
次は、被害生徒以外が訴えてくる場合です。
AちゃんがInstagramでBさんに悪口を言われています。
- ①報告・連絡・相談
学年主任に報告連絡相談。また、学年にいる生徒指導部にも連絡したほうが良い(組織形態による)
- ②事実確認(訴えてきた生徒と面談)
被害生徒のLINEの画面を確認(スクショを撮る)*学級担任と学年主任(学年生徒指導部対応)
- ③近況を確認(訴えてきた生徒と面談)
被害生徒と悪口を言っている生徒に何かあったかを確認。また、被害生徒は、
訴えてきた生徒が教員に伝えたことを知っているかを確認。 *学級担任と学年主任(学年生徒指導部対応) - ④被害生徒に確認(被害生徒と面談)
被害生徒に事実確認。今後加害生徒とどのような関係になりたいかの確認(仲直りしたいか) *学級担任と学年主任(学年生徒指導部対応)
- ⑤保護者への連絡確認(被害生徒と面談)
被害生徒に保護者に連絡する旨を確認
- ⑥今後の対応の相談(職員室)
保護者にどのように対応するかの作戦会議
- ⑦保護者連絡
事実を伝え、学校の今後の対応方針を連絡
被害生徒本人が訴えてくる場合と同じで、この場合も「守る」姿勢を!
中期対応
次に、中期対応を確認していきましょう。
初期対応では被害生徒や訴えてきた生徒に事実確認しました。
中期対応では、加害生徒への事実確認です。初期対応では「被害生徒が訴えてくる場合」と「被害生徒以外が訴えてくる場合」に分けましたが、着地点が一緒だったため中期対応では統一した形でお伝えします。
加害生徒と面談をする時は、朝や昼休みに「放課後時間あるか?」と確認するのは絶対ダメです。加害生徒が勘ぐり、一人の場合は言い訳を考える時間を与えてしまったり、複数人の場合は口裏を合わせる時間を与えてしまったりするからです。
ゆっくり時間が取れる放課後に突然呼んで、すぐに一人ずつ別室対応です。その時は外部と連絡が取れるスマホを没収することを忘れないようにしましょう。
放課後に部活等がある生徒もいると思いますが、顧問の先生に根回ししましょう。部活より生徒指導問題の方が100%大切です。
- ①事実確認(加害生徒と面談)
加害生徒に事実確認。*学級担任と学年主任(学年生徒指導部対応)
- ②生徒指導(加害生徒と面談)
悪口を言った(いじめをした)理由、なぜいけないのか等を基本的には学級担任主導で確認。学年主任は最後の砦
- ③今後の確認(加害生徒と面談)
今後被害生徒とどのような関係になりたいかの確認(仲直りしたいか)
- ④今後の対応の相談(職員室)
事実確認終了後、今後の対応の作戦会議
- ⑤被害生徒の保護者へ連絡
被害生徒に保護者に連絡する旨を確認
- ⑥今後の対応の相談
保護者にどのような対応をとるかの作戦会議。被害生徒保護者から要望がある場合があるので、連絡後再相談
- ⑦加害生徒の保護者へ連絡
加害生徒の保護者に連絡。基本的にはことの重大さを知ってもらうため保護者に来校してもらう
- ⑧被害生徒の保護者へ連絡
被害生徒の保護者に連絡。今後の学校の対応を報告。
被害生徒の保護者連絡は緊張しますが、落ち着いて安心させるような言葉を選びましょう!
稀に被害生徒の保護者が「加害生徒の保護後者に合わせてくれ」と申し出てくることがありますが、必ず断りましょう。話がこじれるだけです。そこは「学校に任せていただけないでしょうか」と言いましょう。納得してもらえない場合は教頭相談!
後期対応
最後に、後期対応を見ていきましょう。
解決に向けた最後の戦いです。
中期対応でほとんど解決していますが、仲直りの場を提供する対応です。
- ①お互いの事実確認
加害生徒が被害生徒にしたことを確認 *学級担任と学年主任(学年生徒指導部対応)
- ②生徒指導
加害生徒が中期対応での指導を理解したかどうかを確認。何がいけなかったのか、今後どうするかなどを確認。
- ③被害生徒への謝罪
教員が「謝罪しろ」というのはおかしいと思うので、あくまでも促す程度。「なんか言うこと無いか」などの声かけ。
- ④被害生徒への確認
被害生徒が納得したかどうかを確認
- ⑤今後の対応の相談(職員室)
保護者にどのように対応するかを説明するための作戦会議
- ⑥加害生徒の保護者へ連絡
加害生徒の保護者に連絡。改めて自宅での指導を促す。
- ⑦被害生徒の保護者へ連絡
被害生徒の保護者に連絡。今後の学校の対応を報告。
加害生徒と被害生徒は定期的に面談すると良いです!加害生徒には「見てるぞ」と感じさせ、被害生徒には「心配してるぞ」を感じてもらうためです。
オススメ書籍
最後に
今日は「【中学校・高校】SNSトラブル(生徒指導問題)の対応方法 〜初期対応から解決まで〜」をお伝えしました。
冒頭で述べたように、問題の9割がSNSが発端で起きているものだと思います。SNSの使い方の指導はするものの問題は起きる時は起きるものです。それは学年や学級担任の指導不足なんてことは全くありません。
ピンチはチャンスです。起きた後にどのように対応するかが最も大事なことでしょう。ぜひ対応策を参考にしていただけると幸いです。
本日は以上です。お読みいただきありがとうございました。よろしければ下のランキングポチッと押してください。
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