【中学校・高校】現役教員が考える集団生活のルールを教える上で大切なこと 〜学級経営技〜

学級経営

みなさんこんにちは、草食系高校教師です。

今日は「【中学校・高校】現役教員が考える集団生活のルールを教える上で大切なこと 〜学級経営技〜」をお伝えします。

2022年現在、生徒は学校に行かなくともインターネットに接続できる環境があれば、授業動画を見て自分で学校の勉強をすることができる時代となりました。

さらに、「Youtuber」を筆頭に個人で稼げる時代となり、一昔前の「(学校の)勉強すれば成功する」時代はとっくに終了したと思います。

それでは、果たして学校教育の役割とは何なんでしょうか。

個人で勉強ができる今、「学校は勉強する場所」という明確な立ち位置ではなく、「集団生活を学ぶ場」という側面が色濃く出てきているのではないでしょうか。

さて、この記事では「集団生活」に焦点を当てて大事な考え方やルールをお伝えしていこうと思います。

草食系教師
草食系教師

み!て!ね!

集団生活を教える上で大事な考え方

 まずは、「集団生活を教える上で大事な考え方」を見ていきましょう。

 生徒は校内で以下のような様々な集団に属します。

  • 学校
  • 学年
  • 学級
  • 学級内の係(役割)
  • 校内委員会
  • 部活動 

 生徒にとっては重要なコミュニティかもしれませんが、先を見据えた時にはそれは非常に狭いコミュニティに違いありません。

 校内で所属する団体内での集団生活でのルールも大事ですが、校内だけで通じるルールだけでなく社会のあらゆる場面に通用する根本的な部分を教員が教える必要があると私は考えます。

 校内で王様のように振る舞っている教員が散見されますが、自分の好き嫌いに合わせて細かい生活や行動のルールを作り、それを忠実に実行するように仕向けるように指導するのは枝葉末節です。集団生活の本質から目を背け、自分が理想とする生徒を作り上げてるだけです。

 今一度、「今教えているルールや規則が校内だけでなく、その先の社会に通用するものなのか」を考えてみませんか?

 私個人としては、高校で主に教えていることもあり学校内だけで通用するものではなく、卒業後の進路先でも人として可愛がられる生徒を育てたいと思っています。

集団生活のルール

 私が生徒に伝えたい集団生活のルールをお伝えしたいと思います。

①思いやりの心を持つ

 1つ目は「他人に迷惑や不快感を与えないような思いやりの心を持つこと」です。

 これは学校や社会問わず集団生活の最低限のルールだと思います。

 広辞苑には以下のように記述されています。

「相手の立場や気持ちを理解しようとする心」

広辞苑

 これは学校内だけでなく、実社会でも100%必要なことですよね?

 しかし、教員が思いやりを育むために一体何をすれば良いのでしょうか。

 もちろん、学級目標にしたり、道徳を通じて気付かせたりする機会があるかもしれませんが、私は師弟同行を心がけるといいと思っています。

 どの学校種の生徒も少なからず学級担任の影響は受けるものだと思います。まずは学級担任がモデルとなって思いやりの行動を示していくことが大切なのではないかと考えます。

 率先して「ありがとう」や「ごめんなさい」を使ったり、困っている生徒に声かけしたりと教員発信で行動していけば、生徒はそれを見て同じような行動をすると思っています。

 生徒全員がその行動に1回で気づかなくても、継続していけば気付く生徒が増えていくと思います。それが伝染していけば「思いやりの心を持つ」につながるのではないでしょうか。

草食系教師
草食系教師

掃除にしっかり取り組んでいたら「ありがとう!」、失敗したら「ごめんな!」しっかり言える大人であることを示しましょうよ!

②自分の行動に責任持つ

 2つ目は「自分の行動に責任を持つ」です。

 自分の言動が他人に与える影響を考えさせることです。

生徒
生徒

授業だるいんだよ!!!

 クラス内で影響力のある一人の生徒が「授業だるいんだよ!」と発言した後、周りの生徒の反応はどうでしょうか。

 大体の生徒が「まじだるいよなー」「◯◯の授業つまんねーし」と、発言した生徒に賛同することでしょう。その後、周りの雰囲気や伝染したネガティブな感情は授業のモチベーションを下げる1つの要因になると思います。

 対照的に、

生徒
生徒

みんなチャイム鳴るから席着いて!次の時間もがんばろうよ!!

 こういったポジティブな発言は、クラス内にとてつもない良い雰囲気をもたらしてくれます。私の所感ですが、こういったポジティブなリーダー的存在がいるクラスの学校への満足度は高いと思います。(生徒アンケートを見た限り)

 そして、考査の平均点・授業の取り組み・行事の取り組みや成績など、結果にも現れるのではないかと最近強く感じています。

 ですので、実は授業が始まる前の号令係(地域によって呼び名が変わる)の挨拶はとても大きな影響を及ぼすんですよ!

 大きな声ではっきりと挨拶するクラスはモチベーション高くないですか?

草食系教師
草食系教師

クラスに一人はポジティブで影響力のある生徒は欲しい物です。それを育てるのも教員のお仕事ですね!

 さて、実際に自分の言動が他人に与える影響を考えさせるにはどのようにしたら良いのでしょうか。

 私は学級担任や教科担任として取り組んでいることを3つご紹介します。

1-すぐにツッコミを入れる

 私はネガティブな発言があまり好きではないので、している生徒を見つけたら「ツッコミ」を入れます。場面指導ですね。

草食系教師
草食系教師

え?◯◯さんなんて?

 「今の発言まずかったかな?」と考えさせるために、あえて優しくツッコミを入れます。それ以降ネガティブな発言がなくなったらそれでOKです。

優しいツッコミ例
  • え?◯◯さんなんて?
  • あれ?なんか聞こえたなー
  • しんどいけど、どうすんの?
  • いつやるか?

 私は、人間は失敗する生き物だと思うので1回〜2回(状況による)までは優しく接します。しかし、それ以降は「学習しよう」という意味を込めて、強く指導します。

2-けどけど作戦を導入する

 2つ目は「けどけど作戦」です。タイトルを聞いてもピンとこないでしょう。笑

 これは私がクラス全員で取り組んだ「ネガティブをポジティブに変える取り組み」です。

 これは、「疲れたー」「眠いー」とネガティブな発言をする生徒に、周りが「けど?」とツッコミを入れる取り組みのことです。

生徒
生徒

しんどい…

生徒
生徒

けど?

生徒
生徒

頑張ろう

 ネガティブな発言に逆説である「けど」を入れて、ポジティブな発言に持っていく誘導尋問のようなものです。

 ホームルームで「ネガティブ発言やめよう!」と説いてもいいと思いますが、独自の名前を決めて「このクラスだけで取り組んでいるよ!」と特別感があれば生徒はゲーム感覚で楽しく取り組むと思います。

草食系教師
草食系教師

意外とバカにできない取り組みですのでぜひ導入してみてください。

3-個人面談をする

 3つ目はシンプルに「個人面談をする」です。

 個人面談をするということは、上記の内容でも改善されない場合ですので少し深刻な面談にします。

 自分が発言している内容に対して、相手がどのように思うかを考えさせたり客観的に自分の発言を聞いたりと、聞いたり見たりした周りの目線に立って自分を見つめてみようという取り組みをします。

草食系教師
草食系教師

あくまでも気づかせることが目的なので、あまり怒らずいきましょう!

③集団の向上に協力する

 3つ目の集団生活のルールは「集団の向上に協力する」です。

 集団の一員である以上、集団のレベルを上げる一助になることは当たり前のことです。

 しかし、学校(社会)にはいろんな人がいます。

  • 積極的(消極的)な人
  • 勝気(内気)な人
  • 利他的(利己的)な人
  • コミュニケーションが上手(下手)な人  など

 消極的で内気で利己的でコミュニケーションが下手な人がいたとしても、傍観せず進んで自分ができる最大限のことをするのは自然なことです。全員が協力的なクラスを中高で作るのは至難の業ですが、気風を育てることはできるのかもしれません。

 さて、実際に「教員が集団の向上に寄与する」姿勢を養うのにはどのような取り組みができるのでしょうか。

 それは、数少ない学校行事の時が最大のチャンスだと思います。もちろん、毎日行う清掃活動・定期的に行われる委員会活動なども機会だと思いますが、生徒がぐーんと伸びるのはやはり大きな学校行事の時ではないでしょうか。

 しかし、実際のところ学級担任が全て管理するのは不可能です。

 そこで私は2つのことに取り組んでいます。

1ーリーダー育成

 1つ目は「リーダー育成」です。

 仕事で言うところの中間管理職、ネズミ講で言うところの幹部みたいなものです。リーダーを育てる絶好の機会でもあると思うので、基本的にはリーダーと多く会話をすることを心がけます。

 毎日報告させていたこともありますし、基本的にリーダーに任せて行き詰まったなと感じたら読んで話をするということもありました。

2-学級全体への声かけ

 2つ目は「学級全体への声かけ」です。

 学級単位での活動になるとどうしても行き詰まる事があります。全体がうまくいかない、誰かがサボる、喧嘩が起きるなど、1人1人違うわけですから起こるのは当然です。

 基本的にはそういったことも前述の通りリーダーが行うこととしていますが、収拾がつかない場合はホームルームで全体に声かけをします。

 担任の想い・協力することの大切さなど、あらゆる角度から生徒が納得するような話をする必要があると思います。

脱力系教師
脱力系教師

それがまた難しいんだよね!!

草食系教師
草食系教師

ここが学級担任の腕の見せ所ですね!

オススメ書籍

最後に

 ここまでお読みいただきありがとうございます。

 今日は「【中学校・高校】集団生活のルールを教える上で大切な考え方 〜学級経営技〜」をお伝えしました。

 個人で勉強ができる今、「学校は勉強する場所」という明確な立ち位置ではなく、「集団生活を学ぶ場」という側面が色濃く出てきているのではないでしょうか。

 自分への戒めを込めて今回の記事を書き、集団生活のルールをもう一度確認する事ができました。みなさんの気づきになればと思います。

 本日は以上です。お読みいただきありがとうございました。もしよろしければ下のランキングをポチッと押していただけるとありがたいです。

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