みなさんこんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【高校】英語授業の新設科目「論理・表現」〜ライティング指導のコツ①〜(2020年度から)」をお伝えします。
2022年度から英語授業新設カリキュラムである「論理・表現」、授業では一体どのようなことをすればいいのでしょうか。
その謎を見ていきましょう。
「新設」と聞くとワクワクしますよね!今日はパート1になります!
論理・表現とは?
「論理・表現」は、現行の「英語表現」に取って代わる科目になります。
そして、平成30年告示の学習指導要領(外国語編)によると、
「話すこと [やり取り]」,「話すこと[発表]」,「書くこと」を中心とした発信能力の育成を強化する指導を行う科目である。本科目においては特に,スピーチ,プレゼンテーション,ディベート,ディスカッション,一つの段落の文章を書くことなどを通して,論理の構成や展開を工夫して話したり書いたりして伝える又は伝え合うことなどができるようになるための指導を行う。
と言った、内容になります。
5社程度の教科書の内容見たところ、やはり「アウトプット型の授業」が求められています。
しかし、従来から英語科教員が認識している、「コミュニケーション英語を『長文読解』、英語表現を『文法』という位置づけは継続しそうです。
問題点
問題点は、以下(黄色の下線部分)の内容です。
「話すこと [やり取り]」,「話すこと[発表]」,「書くこと」を中心とした発信能力の育成を強化する指導を行う科目である。本科目においては特に,スピーチ,プレゼンテーション,ディベート,ディスカッション,一つの段落の文章を書くことなどを通して,論理の構成や展開を工夫して話したり書いたりして伝える又は伝え合うことなどができるようになるための指導を行う。
果たして英語科教員が論理の構成や展開を工夫することを教えられるかです。
生徒が原因、理由、証拠や意見などを順序立てて書くことができるパラグラフライティングの指導が必要になります。
それではパラグラフライティング指導のコツをお伝えします。
パラグラフライティング指導のコツ
パラグラフライティングには2種類あります。
これは、英語の資格や検定にも使える技ですし、英語がどのような構成で書かれているかを知ることができるのでリーディングの学習にもなります。
①ミクロ
ミクロは以下のように3つで構成されています。
①Topic sentence
トピックセンテンスは、「1つのパラグラフの中に書かれている内容を一言で表すもの」です。基本的に、パラグラフの最初の1文に書きます。
英語の特徴でもある「最初に結論を伝える」と言うのと、読み手にとって読みやすい文を作るためです。
②Supporting sentence
サポーティングセンテンスは、「トピックセンテンスの理由、根拠や事例などを表すもの」です。
実際に以下の例を見ていきましょう。黒字がトピックセンテンスで、黄色の下線がサポーティングセンテンスになります。
例)
野菜を食べることは人間にとってとても有益だ。野菜には体を健康に保つためのビタミンやミネラルが多く含まれている。そしてそれは、肥満、がんなどの様々な病気を避けることにつながる。
サポーティングセンテンスでは野菜が有益な理由が述べられていることがお分かりだと思います。
③Conclusion
コンクルージョンは、「パラグラフ全体をまとめるもの」です。
トピックセンテンスの表現を変換してパラグラフ全体をまとめることが多いです。
②マクロ
マクロも同様に、以下の3つで構成されています。
この書き方は、英語のエッセイの書き方と全く同じです。
①Introduction
イントロダクションは、「どのようなものを書くのかを紹介するもの」です。
そして、イントロダクションの構成は以下3つになります。
①Introductory statement (前置きの説明)
②Background(事実やデータ)
③Thesis statement(全体の主張)
②Body
ボディは、「理由や根拠の説明をするもの」です。
イントロダクションの③Thesis statementで述べた主張の理由や根拠を述べます。
①Topic sentence
②Supporting evidence(reason)
③Linking sentence(パラグラフとパラグラフをつなぐ)
*①と②は上記参照
Conclusion
①Restatement(Thesis statementの書き換え)
②Brief summary(書いた内容の要約)
③Final statement(トピックの自分の意見)
指導の方法とポイント
ライティング指導は、どれか1つだけ教えれば良いと思います。
そして、指導の方法とポイントは2つあります。
①分析
例文を出して、それを分析する方法です。
「①Topic sentence・②Supporting sentence・③Conclusion」がどこにあるのかを1つずつ確認していきます。
型が分かれば書き方も読み方も変わってきます。特に、2020年度入試から読む試験が重視されていますので、ライティング指導と言いつつリーディング指導にまで持っていくことができます。さらに、この指導は推薦入試等の小論文試験や面接にまで対応することができる一石三鳥なのです。
②ひたすら書く
書き方を伝えたら、あとはひたすら生徒に書かせて添削です。
正直、1人ずつ添削はかなり大変ですがやるしかありません!
目的は書き方よりも、理由や根拠を示して論理立てて話ができているかどうかですので、文法の指摘よりも内容の指摘の方が重要です。GTECの英作文の採点を参考にすると良いですよ!
オススメ書籍
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございます。
今日は「【高校】英語授業の新設科目「論理・表現」〜ライティング指導のコツ①〜(2020年度から)」をお伝えしました。
合言葉は「書き方がわかれば読み方がわかる!!」です。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
本日は以上です。お読みいただきありがとうございました。もしよろしければ下のランキングをポチッと押していただけるとありがたいです。
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