みなさんこんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】英語授業で行うアクティビティがもたらす効果 〜4技能5領域を満遍なく行う〜」をお伝えします。
みなさん、英語を使ったアクティビティを授業内で実施していますでしょうか。
私はオリジナルの(文法別)英語アクティビティをこれまでに65個作成し、文法を学習するたびにアウトプットの時間で導入するようにしています。
今日はその効果を詳しくお伝えできればと思います。
ぜひ見てくださいねー!
ティーチングピラミッド
まず初めに「ティーチングピラミッド」を見ていきましょう。
これは私が授業でアクティビティを取り入れている1つの理由でもあります。
どんな学習方法がしっかり頭に残るかを分類したピラミッド型の図のこと
それでは、上の表を2つ(受動的・能動的)に分類していきましょう。
受動的:Lecture, Reading, Audio Visual, Demonstration
能動的:Discussion Group, Practice By Doing, Teaching Others
ティーチングピラミッドの図をご覧のように、受動的な学習には限界があります。つまり「教員が必要なものや解を示し、生徒はそれを記憶して再現するだけの授業は十分な学習成果は低い」ということです。
授業で行うアクティビティは「Practice By Doing」に分類され(活動によってはTeaching Othersにも分類)、学習効果が高いことがわかります。
しかし、ただ活動すれば学習効果があるのではなく、目の前の生徒のレベルにあった活動、目的が明確である活動などが必要になってきます。
そして、英語は教科であり、コミュニケーションのツールであり、体育や音楽のような「技能教科」であります。
つまり「技能」を習得するために授業で何をするかを考えるのが英語教員のお仕事です。それでは昨今WBCやメジャーリーグで活躍している大谷翔平選手の影響で人気になっている野球に置き換えて考えてみましょう。
〜野球〜
①打つ
②守る
③投げる
④走る
〜英語〜
①スピーキング
②ライティング
③リスニング
④リーディング
順番は特に関係ありませんが、野球と同様に4技能あるということです。野球で3年間「走る」をしても競技力は伸びないですよね?多少偏りはあっても満遍なく練習することが多いでしょう。
英語も同じです。偏りはあってもそれぞれの技能を伸ばすための練習をする必要があります。そしてその練習は、ティーチングピラミッドの「能動的活動」を意識したもの(アクティビティ)が良いと思っています。
それでは具体的に何が良いのかを見ていきましょう!
アクティビティの効果
それでは「アクティビティの効果」を見ていきましょう。
お堅いことを言えば、以下のような効果があります。
①言語スキルの向上
②コミュニケーション能力の発展
③実践的な学習体験
④自己表現
この辺は容易に想像できる範囲なので、これ以外の効果を見ていきましょう。
①”楽しい”のトリガーにする
1つ目は「”楽しい”のトリガーに」です。
正直さ、大人もそうだけど楽しくないと継続できないよね?
私は、”楽しい”には2種類あると思っています。
1つは「キャッキャする楽しい」、2つ目は「探求する中にある障害を乗り越える楽しい、気づきや学びを得る楽しい」です。
この2つの”楽しい”が授業には必要だと思っています。
これが授業の難しさの1つでもあるね!
2つ目を常に感じて授業を受けている生徒はほとんどいないと思います。結局、その瞬間の”楽しい”を演出して学習のモチベーションを維持・向上させることがある程度必要ではないかと思います。
その一助となってくれるのが英語アクティビティの1つの効果だと思います。
あ、余談ですが、私がさんまさんのような話術ももう中学生みたいなふんわりした雰囲気も持ち合わせてはいないので、アクティビティを通して楽しさを感じてもらうしかないんですよー。笑
②一人一人の”できる”を増やす
次は「一人一人の”できる”を増やす」です。つまり、「自信を与える」ということです。
流れとしては、「アクティビティ→できた(成功体験)→自信つく→モチベ上がる→自主性(独立心)高める→キャリア発展」といった感じです。
こんなにうまくいくはずありませんが、できないものができた時の喜びが授業で顔を上げるきっかけになればそれでいいと思うのです。
「自信」は、自分が能動的に動くか受動的に動くかを決定する1つの物差しです。
「できた」を積み重ねたら自信がつき、能動的に動くようになると思います。
そのためには「スモールステップ」です。問題・課題のレベルを細分化し、苦手な生徒が登れる山、真ん中の生徒が登れる山、得意な生徒が登れる山を設定するのが良いと思っています。
問題は問題集を使うと思うのでなかなかスモールステップを設定することは難しいですが、アクティビティは苦手な生徒でも登れる山を設定することができます。
③4技能を使える
それでは次に「4技能を使える」を見ていきましょう。
学習指導要領に以下の内容が明記されています。
高等学校卒業時に、生涯にわたり「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を積極的に使えるようになる英語力を身に付けることを目指す。
ここから何がわかるかというと… 授業で4技能を満遍なく行うことが求められるようになったことです。
躍起になって「4技能網羅しないと!!!!!ハアハア」とならなくてもいいですが、前述の通り技能教科なので満遍なくスキルは伸ばしてあげたいところです。
英語アクティビティは課題設定がしやすいため4技能を網羅的に行える可能性を秘めています。全て行えなくとも1技能に特化したり、2技能入れたりすることができます。
④雰囲気を変える
最後に「雰囲気を変える」を見ていきましょう。
授業を50分間同じペース・同じスタイルで行うのには限界がありますよね?もちろん、安心感を与える効果はありますが、安心感だけで授業が成り立つわけでもありません。
どこかで新しい風を入れて雰囲気を変える材料が必要になります。
授業で問題を解いたり、解説したり、真面目すぎる時間が続くと生徒の集中力が続かず、どうしても間延び時間が生まれてしまいます。わからないから止まっている生徒、わかるから早く終わってしまった生徒、働き蟻の法則のように暮らすには様々な生徒がいます。
その雰囲気を変えらえるのがアクティビティです。ぜひ授業のフレッシュエアーになるアクティビティ導入をお勧めします。
最後に
今日は「【中学校・高校】英語授業で行うアクティビティがもたらす効果 〜4技能5領域を満遍なく行う〜 」をお伝えしました。
英語は技能なのでそれぞれの能力を伸ばすためには机上だけではどうしても限界があります。そして、チョーク&トークだけの一辺倒の授業にも限界があります。
ぜひアクティビティを通して生徒の気づきや学びを加速していきましょう。
本日は以上です。ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
コメント