みなさんこんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【中学校・高校】ドリル(Drilling)とは? 〜英語授業で使える6つの練習方法を伝授〜」をお伝えします。
みなさん、授業内でただ単に「Repeat after me」と言ってはいないでしょうか。
英語は言語の1つであり技能ですので、繰り返し口に出して練習するのは当たり前のことです。右足出して左足出すと歩けるくらいのレベルです。
しかし、「とりあえず読ませといたろ!」と思って授業をしている先生は少なからずいるでしょう。

何となくリピートさせてしまってる!

活動に意味を持たせましょう!!!!!
今日はレベルを上げた「Repeat after me=口頭訓練」を私がTESOLの授業を受けていた時に習った訓練方法に基づいてお伝えします。
Drilling(ドリル)とは?

まずは、「Drilling」とは何かを見ていきましょう。
「ドリル」と聞いた時に真っ先に想像するのは、小学校や中学校の時に経験した漢字ドリルや計算ドリルでしょう。繰り返し繰り返し同じような問題をひたすら解くアレのことです。
まさにその通りで、ドリルは「何かを定着させるために繰り返し行う訓練」のことです。
それを英語授業に置き換えると「ドリルは、授業者が提供するモデルを生徒が繰り返すことに基づいて、生徒に新しい言語項目を導入する授業方法」です。通常、新しい語彙、文法事項、文型を教えた後に使用します。

それでは6つの訓練方法をお伝えします!
Drilling6つの方法

それでは、「Drilling」の種類を見ていきましょう。
ここでは6つのDrillingを具体例と共にお伝えします。
みなさんにとって有益な情報であればいいなあーーー。
①The repetition drill
1つ目は「The repetition drill」です。
これは、「教員が発するモデルに、生徒がそのままリピートする活動」です。
それでは具体例として、「目的語だけを変える」と「動詞と目的語を変える」の2つを見ていきましょう。
〜具体例①(目的語だけを変える)〜
Teacher : I like cooking.
Students : I like cooking.
Teacher : I like running.
Students : I like running.
〜具体例②(動詞と目的語を変える)〜
Teacher : I like listening to rock music.
Students : I like listening to rock music.
Teacher : I finish doing homework.
Students : I finish doing homework.
Teacher : I enjoy going out.
Students : I enjoy going out.
Teacher : I love chatting.
Students : I love chatting.
例文は生徒全員が容易に理解できるものを使うと文法の理解に集中することができますよ!
②The substitution drill
2つ目は「The substitution drill」です。
これは、「例文を基に、教員が変更する1語か2語以上を指定し、生徒がそのままリピートする活動」です。
それでは具体例として、「1語変更」と「2語以上変更」を見ていきましょう。
〜具体例①(1語変更)〜
Teacher : Ken likes rock music.
Students : Ken likes rock music.
Teacher : K-Pop.
Students : Ken likes K-Pop music.
Teacher : He likes doing homework.
Students : He likes doing homework.
Teacher : Judo.
Students : He hates doing judo.
Teacher : You like watching TV.
Students : You like watching TV.
Teacher : He.
Students : He likes watching TV.
Teacher : We like going out.
Students : We like going out.
Teacher : (not)
Students : We don’t like going out.
方法は、「教員がモデルリーディングをする→生徒がリピートする→教員が変更点を言う→生徒が文を変更する」です。
〜具体例②(2語以上)〜
Teacher : She likes listening to rock music.
Students : She likes listening to rock music.
Teacher : He – K-pop.
Students : He likes listening to K-pop music.
Teacher : father – jazz.
Students : My father likes listening to jazz music.
具体例では「名詞」だけを変えましたが、動詞や目的語を変えてもいいと思います!!
③Question and answer drill
3つ目は「Question and answer drill」です。
これは、「教員の質問に生徒がクイックリスポンスし、さらに指定した答えに変える練習」です。
それでは具体例として、「Yes/No質問」と「疑問詞質問」の2つに分けて見ていきましょう。
〜具体例①(Yes/No質問)〜
Teacher : Does she like sushi? Yes?
Students : Yes, he does.
Teacher : No?
Students : No, he does not.
〜具体例②(疑問詞質問)〜
Teacher : What subject do you like? English?
Students : I like English.
Teacher : Math
Students : I like math.
さらにレベルを上げるために、疑問詞質問の時に、「Not at allー Science」 などと加えてもいいと思います!!
④Transformation Drill
4つ目は「Transformation Drill」です。
これは、「教員が指定するパターンを基に、生徒が文を変える活動」です。
それでは具体例として、「肯定文→否定文」と「能動態→受動態」を見ていきましょう。
〜具体例①(肯定文→否定文)〜
Teacher : I go to school.
Students : I don’t go to school.
Teacher : My brother cleans his room.
Students : My brother doesn’t clean his room.
〜具体例②(能動態→受動態)〜
Teacher : He wrote a letter.
Students : A letter was written by him.
Teacher : Many people use the room.
Students : The room is used by many people.
他にも以下のような例で使えます。
・動名詞ー不定詞
・肯定文ー疑問文
・現在進行形ー過去進行形ー未来進行形
etc…
パターンプラクティスとクイックリスポンスを兼ね備えたような活動です!!
⑤Replacement drill
5つ目は「Replacement Drill」です。
これは、「教員の例文で使われている名詞を代名詞に置き換える活動」です。
それでは具体例を見ていきましょう。
〜具体例(名詞を代名詞に)〜
Teacher : I like soccer.
Students : I like it.
Teacher : Soccer and baseball are my favorite sports.
Students : They are my favorite sports.
Teacher : Miho doesn’t like sushi.
Students : She doesn’t like sushi.
今回は名詞を代名詞に置き換えるパターンでしたが、「丁寧さ」などに置き換える練習をすることもできます。
〜具体例(丁寧さ)〜
Teacher : I want to go to Italy.
Students : I would like to go to Italy..
Teacher : Can I use your eraser?
Students : May(Could) I use your eraser?
「置き換える」は表現の幅を広げてくれます!!
⑥Expansion drill
最後は「Expansion Drill」です。
これは、「文章をつなげて(暗記して)リピートする活動」です。
それでは具体例として、「教員と生徒」と「生徒間」を見ていきましょう。
〜具体例(生徒と教員)〜
Teacher : I like playing soccer.
Students : I like playing soccer.
Teacher : I like playing soccer. He enjoys going out.
Students : I like playing soccer. He enjoys going out.
Teacher : I like playing soccer. He enjoys going out. She hates doing her homework.
Students : I like playing soccer. He enjoys going out. She hates doing her homework.
〜具体例(生徒間)〜
*グループ活動
Student A(男子) : I like playing baseball.
Student B(女子) : He likes playing baseballI. I like listening to music.
Student C(男子) : He likes playing baseballI. She likes listening to music. I like watching movies.
Student D : He likes playing baseballI. She likes listening to music. He likes watching movies. I like surfing.
グループで活動する場合は、タイムを競っても面白いです!!
活動する時に大切なこと

それでは「活動する時に大切なこと」を2つ見ていきましょう。
①リズムとテンポ
1つ目は「リズムとテンポ」です。
これらの「drill」をする上で最も大切と言っても過言ではないのは、「リズムテンポ」です。この活動の理想は、「頭で考えなくてもできるようになる」ことです。
圧倒的なアウトプットの量、そして間髪入れずにリピートを繰り返すことにより、日本語を介さない英語脳を作ることにつながります。
また、定型フレーズを習得できることや適切な発音・英語特有のイントネーションを学ぶことができます。
②頭の中でイメージする
2つ目は「頭の中でイメージする」です。
これは活動前に、生徒に必ず伝えなければいけないことの1つです。音読にも言えることなのですが、ただ単に教員の発している言葉をリピートするだけ(「音声化」)は、ほとんど活動の意味がありません。(音声理解には役立つ)
頭の中で発した言葉をイメージ(画像化・映像化)することが、「①リズムとテンポ」同様に英語脳を作る一助となります。
最後に

今日は「【中学校・高校】ドリル(Drilling)とは? 〜英語授業で使える6つの練習方法を伝授〜」をお伝えしました。
インプット後のインテイクの活動にもお使いいただける方法もあったのではないでしょうか。ぜひご活用いただければと思います。
本日は以上です。ありがとうございました。
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