こんにちは、草食系高校教師です。
今日は「【完全版】効果的な英語シャドーイング 〜リスニング能力向上〜」です。

シャドーイングねえ、効果あるの?

ポケモンではありませんが「こうかはばつぐんだ」ですよ!ただししっかりとした方法があります。
2020年度から、従来のセンター試験から大学入学共通テストに名称が変わり、出題傾向や配点が大幅に変わりました。
これまでは英語のリスニングが50点でしたが、今年度から100点になり、ますますリスニング能力向上を促すしかありません。
リスニングを伸ばすためにはズバリ、「シャドーイング」が鍵になってきます。
シャドーイングとは
シャドーイングは聞いた音声を1語〜2語遅れて影(シャドー=shadow)のように真似して発音するリスニングやスピーキングの練習法のことです。
英文を聞き終えてから繰り返すリピートとは異なり、シャドーイングは聞こえてくる英文のすぐ後ろを影のように追いかけるのがポイントです。
「遅れてモノマネをする」と思ってください。私は授業中に「次はモノマネ大会始めるぞー」と言ってシャドーイングを始めます。
期待できる効果

本当に抜群の効果です!
聞き取れる音が増える
聞いた音声を1語〜2語遅れて発音をするため、1語1句聞いていなければアウトプットすることができません。
これは脳の仕組みですが口から出せない音は聞くことができないという原理があるそうです。そのため、口から言えるようになると耳からも聞くことができるということです。
抑揚や区切りなどイントネーションの改善
授業中に聞く音声はほとんど英語ネイティブのものでしょう。
そのお手本となる音声を聞いて真似してアウトプットすることで英語特有の抑揚や区切り、イントネーションを体で感じることができます。
みなさんこうなったことはありませんか。

The pen is mightier than the sword.

何言ってるかわからん。
日本人が英語を聞き取ることができない理由として多いのが英語特有の抑揚や区切り、イントネーションです。
1つずつ抑揚の場所、区切りの位置、イントネーションを学習させることも大切ですがアウトプットを繰り返して体で覚えてもらう方が早いのではないかと思っています。
正しいシャドーイングの方法(英語学習者向け)
英語学習者向けの正しい英語シャドーイングの方法です。
授業では本文の内容を確認した後に行うことが多い活動ですが本文の内容を確認しない方法で記事を載せています。
- STEP1リスニング
- STEP2マンブリング
- STEP3テキストで意味や英語の確認
- STEP4シンクロ・リーディング
- STEP5プロソディシャドーイング
- STEP6コンテンツシャドーイング
STEP1 リスニング
テキストを見ないで、聞いて特徴を掴みます。確認する特徴は以下の2点です。
STEP2 マンブリング
mumble=「呟く、ボソボソ言う」という意味ですが、通常のシャドーイングのブツブツ言うバージョンになります。
聞こえた音声を声に出すシャドーイングは、自分の声が邪魔で音が聞き取りにくい場合があるので、最初は声を小さくするマンブリングを行います。
心の中で読むサイレントシャドーイングも良いですが口を動かさないと自分がどれだけ正確に捉えているかがわかりませんのでマンブリングの方が良いでしょう。
授業で行う場合、大きな声で読むことに抵抗のあるシャイな生徒でも一生懸命やっています!
STEP3 テキストで意味や英語の確認
音声を聞いて意味がわからなかったところはテキストを見て本文と日本語の意味を確認しましょう。また、聞き取れなかった単語やフレーズは印をつけておくと自分の苦手が見えてきます。
STEP4 シンクロリーディング
synchro=シンクロ、日本語にもなっていますが、synchronizeの略語で「同期する」や「タイミングを合わせる」という意味があります。
CDで音声を聞きながら同時に本文を音読します。別名パラレルリーディングとも呼ばれる練習法です。
遅れずについていくこと・音の強弱・発音・イントネーション・英語特有のリズムをつかむことが大切です。自分のリズムと話者のリズムが合わないことが多いかもしれませんが、そこが聞き取れていないギャップになります。
英語の特徴に慣れることで聞き取れるようになっていけるようになる練習方法です。
STEP5 プロソディシャドーイング
Prosody=「韻律(リズム・アクセント・抑揚)」のことです。聞こえてくる音を聞きながら、1語〜2語遅れてできるだけ正確に英語で再現します。シャドーイングと呼ばれているものはこのプロソディーシャドーイングのことです。
途中でわからなくなる箇所もあると思いますが、仕切り直してどこからでもいいので再開しましょう。
STEP6 コンテンツシャドーイング
content=「内容」のことですので、ここでは意識を「意味」に向けていきます。
内容を頭の中で確認しながらシャドーイングをします。もし意味がわからない分がある場合はSTEP3の意味確認を念入り行いましょう!
頭の中で意味を確認しないとただの音声化(音声を発しているだけ)になってしまいます。STEP1〜5では「音」を正確に聞くことが目的でしたが、ここでは意味の理解が必要です。
結局は聞いたものを頭の中で理解しなければいけませんので、必ず意味を理解した上でこの活動をしましょう。
声の大きさはマンブリング程度で構いませんので、シャドーイングをしながら同時に意味が取れるようにするトレーニングです。

ファイトー!
最後に
今日は「【完全版】効果的な英語シャドーイング 〜リスニング能力向上〜」です。「シャドーイングとは」「期待できる効果」「正しいシャドーイングの方法(英語学習者向け)」の3つのカテゴリーでした。
勉強には万能薬はありませんが特効薬はあります。風邪にはパブロン、頭痛にはイブのように、リスニングにはシャドーイング、リーディングにはスラッシュリーディングなど改善したいや伸ばしたい能力にあった練習法や勉強法があります。
「やり方よりあり方」という言葉がありますが、ある程度のやり方も身につけないとかなりの遠回りをすることになってしまいます。
教員の方、英語学習者、中高生、ぜひ参考にしてください!
本日は以上です。お読みいただきありがとうございました。もしよろしければ下のランキングをポチッと押していただけるとありがたいです。
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